授業名 | Family Business and Innovation |
---|---|
Course Title | Family Business and Innovation |
担当教員 Instructor Name | 落合 康裕(Yasuhiro Ochiai) |
コード Couse Code | EST216_G24V |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
授業形式 Class Format | Live Virtual |
単位 Credits | 1 |
言語 Language | JP |
科目区分 Course Category | 入門科目0系 / Pre |
学位 Degree | Exed |
開講情報 Terms / Location | 2024 GSM ONLINE Fall |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
本講義は、ケースディスカッションを通じて、伝統の継承を守りつつ環境変化に応じたイノベーションを実現するための経営能力を養成することにある。本講義の内容は、本学のミッションステートメントにあるイノベーティブなリーダーの育成に密接に関連するものである。
本講義は、老舗ファミリー企業(創業100年以上)のビジネスケーススタディを活用して、複雑なファミリービジネスの現象に焦点をあてて、状況の把握、課題の整理、解決策の提示を行える実践的能力の養成を目的とする。
本講義は、老舗ファミリー企業(創業100年以上)のビジネスケーススタディを活用して、複雑なファミリービジネスの現象に焦点をあてて、状況の把握、課題の整理、解決策の提示を行える実践的能力の養成を目的とする。
This lecture aims to develop management ability to engage in innovative behavior in the changing business environment while preserving tradition through case discussions. The content of this lecture is closely related to the development of innovative leaders in the mission statement of our university.
The purpose of this lecture is that we learn abilities to understand the phenomenon of complex family business. And then this lecture focuses on business case study of long-established family businesses.
The purpose of this lecture is that we learn abilities to understand the phenomenon of complex family business. And then this lecture focuses on business case study of long-established family businesses.
授業の目的(意義) / Importance of this course
本講義では、ファミリービジネス研究において最も重要な課題とされてきた事業承継の事例に焦点を当てて、ファミリービジネスの複雑な現象を多元的、多角的、時間経過的に分析していく。また、講義ではファミリービジネス理論の試論的な活用法を学ぶことに力点を置くのではなく、むしろケースにおける状況把握、評価、意思決定という実際の現象に依拠して考察することを重視する。本講義を通じて、受講生は実践的知識の獲得に留まることなく、思考力ならびに知識の運用能力の養成を図ることができるであろう。
Family business occupies about 97% of all the Japanese companies. According to previous researches, family businesses have shown superiority of business performance and business continuity compared with general corporations. At the same time, family businesses are management organizations that need coordination with various stakeholders, such as shareholders, customers, suppliers, and regional industry group and so on.
In this lecture, we focus on cases of business succession in Japanese longevity companies and analyze complex phenomenon of family businesses. Students will be able to train thinking skills and ability to operate knowledge through this lecture.
In this lecture, we focus on cases of business succession in Japanese longevity companies and analyze complex phenomenon of family businesses. Students will be able to train thinking skills and ability to operate knowledge through this lecture.
到達目標 / Achievement Goal
本講座を通じて、学生は、経営環境の変化の中でファミリー企業の事業承継者がイノベーションを実現するための知見や思考力を習得することができる。
Through this course, students can learn how family business can engage in innovate behavior in the changing business environment.
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
本講座の達成目標は以下の通りです。
(1)実践の厳しさに耐えうる強靭な基礎知識を習得する。
(2)経営環境の変化に応じた老舗企業のイノベーション活動を学ぶ。
(3)事業の存続を支えるガバナンスのメカニズムを学ぶ。
(1)実践の厳しさに耐えうる強靭な基礎知識を習得する。
(2)経営環境の変化に応じた老舗企業のイノベーション活動を学ぶ。
(3)事業の存続を支えるガバナンスのメカニズムを学ぶ。
The main topics of this course are as follows.
(1) Students will acquire strong basic knowledge that can endure the severity of practice.
(2) Students will learn proactive behaviors of well-established companies that adjust to changes in the business environment.
(3) Students will learn the governance mechanism that realizes sustainability of business.
(1) Students will acquire strong basic knowledge that can endure the severity of practice.
(2) Students will learn proactive behaviors of well-established companies that adjust to changes in the business environment.
(3) Students will learn the governance mechanism that realizes sustainability of business.
SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals
Goal 9 産業と技術革新の基盤をつくろう(Industry, Innovation and Infrastructure)
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 15 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 85 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
予習レポート
ケース :合資会社大和川酒造店(福島県喜多方市)
課題 :「ケース企業における後継者の状況と乗り越えるべき課題について」
→後日提示されるDay1のアサインメントにそって、上記のテーマを考察しなさい。
提出期限:講義初日の講義開始前
提出方法:「Google ClassRoom」にて提出。A4用紙3枚以内、PowerPointで作成することが望ましい。
最終レポート
ケース :近江屋ロープ株式会社(京都府京都市)
課題 :「ケース企業における後継者の革新的行動を妨げる要因と促進する要因について」
→後日提示されるDay2のアサインメントにそって、上記のテーマを考察しなさい。
提出期限:講義最終日の講義終了時
提出方法:「Google ClassRoom」にて提出。A4用紙3枚以内、PowerPointで作成することが望ましい。
ケース :合資会社大和川酒造店(福島県喜多方市)
課題 :「ケース企業における後継者の状況と乗り越えるべき課題について」
→後日提示されるDay1のアサインメントにそって、上記のテーマを考察しなさい。
提出期限:講義初日の講義開始前
提出方法:「Google ClassRoom」にて提出。A4用紙3枚以内、PowerPointで作成することが望ましい。
最終レポート
ケース :近江屋ロープ株式会社(京都府京都市)
課題 :「ケース企業における後継者の革新的行動を妨げる要因と促進する要因について」
→後日提示されるDay2のアサインメントにそって、上記のテーマを考察しなさい。
提出期限:講義最終日の講義終了時
提出方法:「Google ClassRoom」にて提出。A4用紙3枚以内、PowerPointで作成することが望ましい。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
テーマ:ファミリービジネスにおける企業家活動概要 :企業の持続的成長には、伝統(家訓、製品、製法等)の継承だけではなく、経営環境の変化に応じた非連続的なイノベーションが必要です。数世代にわたる事業承継を経てきた老舗ファミリー企業では、どのようにして保守的な経営姿勢に陥らず、革新の芽を育んでいるのでしょうか。本セッションでは、先代世代との承継プロセスにおいて、後継者が能動的な行動をおこすプロセスに着眼して、伝統と革新の課題について考えていきます。
なお、上記の他、事業承継型M&Aに関しても、別途ケースを配布しディスカッションを行う。
●使用するケース
●使用するケース■ケース:合資会社大和川酒造店(福島県喜多方市)
[学習範囲:教科書『事業承継のジレンマ』p. 121-139]
第2日(Day2)
テーマ:事業承継を通じた次世代組織の構築とガバナンス概要 :持続的成長に必要な企業変革は、経営者一人で成し遂げられるものではありません。大きな変革に結びつけていくためには、経営者の意志と行動を支える経営幹部(ブレーン)の組織を構築することが重要です。本セッション前半では、後継者が経営組織から受入れられるための正統性の獲得プロセスに着眼して議論を深めていきます。
また、本セッションの後半では、事業承継とガバナンスについて議論を行います。後継者が実績を蓄積していくに伴い、後継者は次世代経営者としての正統性を獲得し、組織メンバーからの協力を得られるようになり影響力を発揮しやすくなります。他方、後継者の影響力の高まりは、一歩間違えると経営者の暴走を招く可能性があります。本セッションでは、ファミリービジネスの経営者に対する牽制と規律づけをいかに担保していけるのかについて議論を深めていきます。
●使用するケース
●使用するケース■ケース:近江屋ロープ株式会社(京都府京都市)
[学習範囲:教科書『事業承継のジレンマ』p. 141-160]
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 50 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 50 % |
予習レポート Preparation Report | 20 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 30 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
教科書 Textbook
- 落合康裕「事業承継のジレンマ:後継者の制約と自律のマネジメント」白桃書房(2016)978-4561266822
- 落合康裕「事業承継の経営学: 企業はいかに後継者を育成するか 」白桃書房(2019)978-4561257349
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
後藤俊夫(監修)落合康裕(企画編集)(2022)『ファミリービジネス白書2022年度版:未曾有の環境変化と危機突破力』白桃書房.(ISBN-10: 4561267603)(ISBN-13: 978-4561267607)
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
受講生の方々からは、「今現実に直面している課題に役立った」「新しいアプローチを学べた」等、前向きな意見を頂いています。講義では、ケースメソッドを通して受講生の方々が実践の厳しさに耐えうる強靭な学識を習得できるよう、講師も全力を尽くします。
担当教員のプロフィール About the Instructor
大和証券株式会社入社後、本社人事部にて組織運営業務、大和証券SMBC金融法人部にて大手機関投資家に対するRM業務を担当。その後、研究者に身を転じて、2014年に日本経済大学経営学部(東京渋谷キャンパス)准教授に就任。2018年より現在の静岡県立大学大学院経営情報イノベーション研究科准教授に就任。
現在、ファミリービジネスの事業承継について経営学の観点から研究を行う。大学での研究活動を軸に、ビジネススクールにおけるケースメソッド形式による事業承継講座を担当するほか、後継経営者の教育に従事する。2015年に、日本で初めてのファミリービジネスの実証研究書となる『ファミリービジネス白書2015年度版』を株式会社同友館から発刊。2018年に『ファミリービジネス白書2018年度版』、2022年に『ファミリービジネス白書2022年度版』、を株式会社白桃書房から発刊。同書の刊行時より、企画編集委員長をつとめる。
著書に、『事業承継のジレンマ:後継者の制約と自律のマネジメント』白桃書房(ファミリービジネス学会賞・実践経営学会名東賞受賞)など多数。
【職歴】
1997-2011 大和証券株式会社
1997-2001 京橋支店
2001-2008 人事部 人事課長代理
2008-2011 大和証券SMBC株式会社金融法人部 次長
2014-2018 日本経済大学経営学部(東京渋谷キャンパス) 准教授
(在籍間中、2017年3月ポーランド・コズミンスキー大学訪問教授)
2018- 静岡県立大学大学院経営情報イノベーション研究科 准教授
2020- 静岡県立大学大学院経営情報イノベーション研究科 教授 (昇任)
2016- 名古屋商科大学大学院マネジメント研究科 客員教授(現在に至る)
2017- 一般社団法人100年経営研究機構顧問(現在に至る)
2017- ファミリービジネス学会常任理事(現在に至る)
2019- 早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS) 非常勤講師(現在に至る)
2019- 事業承継学会常務理事(現在に至る)
2022- テクロ株式会社社外監査役(現在に至る)
【学位】
博士(経営学)〈神戸大学〉2014年
【受賞歴】
実践経営学会名東賞 2017年
ファミリービジネス学会賞 2017年
Teaching Award 2017(名古屋商科大学大学院)
Teaching Award 2018(名古屋商科大学大学院)
現在、ファミリービジネスの事業承継について経営学の観点から研究を行う。大学での研究活動を軸に、ビジネススクールにおけるケースメソッド形式による事業承継講座を担当するほか、後継経営者の教育に従事する。2015年に、日本で初めてのファミリービジネスの実証研究書となる『ファミリービジネス白書2015年度版』を株式会社同友館から発刊。2018年に『ファミリービジネス白書2018年度版』、2022年に『ファミリービジネス白書2022年度版』、を株式会社白桃書房から発刊。同書の刊行時より、企画編集委員長をつとめる。
著書に、『事業承継のジレンマ:後継者の制約と自律のマネジメント』白桃書房(ファミリービジネス学会賞・実践経営学会名東賞受賞)など多数。
【職歴】
1997-2011 大和証券株式会社
1997-2001 京橋支店
2001-2008 人事部 人事課長代理
2008-2011 大和証券SMBC株式会社金融法人部 次長
2014-2018 日本経済大学経営学部(東京渋谷キャンパス) 准教授
(在籍間中、2017年3月ポーランド・コズミンスキー大学訪問教授)
2018- 静岡県立大学大学院経営情報イノベーション研究科 准教授
2020- 静岡県立大学大学院経営情報イノベーション研究科 教授 (昇任)
2016- 名古屋商科大学大学院マネジメント研究科 客員教授(現在に至る)
2017- 一般社団法人100年経営研究機構顧問(現在に至る)
2017- ファミリービジネス学会常任理事(現在に至る)
2019- 早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS) 非常勤講師(現在に至る)
2019- 事業承継学会常務理事(現在に至る)
2022- テクロ株式会社社外監査役(現在に至る)
【学位】
博士(経営学)〈神戸大学〉2014年
【受賞歴】
実践経営学会名東賞 2017年
ファミリービジネス学会賞 2017年
Teaching Award 2017(名古屋商科大学大学院)
Teaching Award 2018(名古屋商科大学大学院)
Biography:
Yasuhiro Ochiai is an Associate Professor at School of Management and Information based at University of Shizuoka. He is a leading authority on Japanese family business, business succession and successor’s entrepreneurship. Currently he researches succession of Japanese family business from perspectives of business strategy and business administration. In addition to research activities at university, he is in charge of business succession courses by case method at Nagoya University of Commerce & Business accredited by AMBA and acquired AACSB International membership. Also he takes care of seminars for successors and consultants. He is the chief director of editorial board about publication of “White Paper on Family Business 2015”, the first book of Family Business based on an experimental study in Japan. In 2018, they published “White Paper on Family Business 2018”. Professor Ochiai won some awards for his book and academic papers. In particular, his main book “Successor’s Dilemma” was given Japan Academy of Family Business Best Book Award and Japan Society for Applied Management Nato Award in 2017.
Doctoral Thesis:
“Business Succession Research of Family Businesses: Business Succession and Successor's Behavior in Japanese Long-lived Companies”, Graduate School of Business Administration, Kobe University doctoral thesis, 2014 (in Japanese)
Work Experience:
Apr. 2020 – present
Professor, Faculty of Management and Information, University of Shizuoka
Apr. 2018 – 2020
Associate Professor, Faculty of Management and Information, University of Shizuoka
Apr. 2014 – Mar. 2018
Associate Professor, Faculty of Management, Japan University of Economics
Apr. 1997 – Aug. 2011
Daiwa Securities Group Inc.
Honors & Awards:
2017 Japan Academy of Family Business Best Book Award
2017 Japan Society for Applied Management Nato Award
2017 NUCB Business School Teaching Award
2018 NUCB Business School Teaching Award
Refereed Articles
- (2017) Proactive Behavior of Successors in Japanese Business Succession. Entrepreneurship and Social China, Japan, and South Korea, Nanjing University Press, pp.174-196.
- (2016) Business Succession and Successor Legitimacy in Well-Established Family Companies in Japan. International Journal of Business and Information 11(03): 1746-0972
- (2015) A New Epoch of Japanese Family Businesses : Continuity and Innovation of Centennial Firm. Transactions of the Academic Association for Organizational Science 4(1): 2186-8530
- (2015) Succession and Transgenerational Behavior in Japanese Legacy Company : Case Study of Yamatogawa Brewing Company in Fukushima. Journal of business succession 4