授業名 | 課税問題と経済政策 |
---|---|
Course Title | Taxation issues and economic policies |
担当教員 Instructor Name | 原田 泰(Yutaka Harada) |
コード Couse Code | EST210_G20T |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
単位 Credits | 1 |
言語 Language | JP |
学位 Degree | Exed |
開講情報 Terms / Location | 2020 GSM Tokyo Fall |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
授業の目的(意義) / Importance of this course
日本の税と政府支出を概観し、それぞれの問題点を理解し、日本経済を発展させるために、どのような行財政改革が必要かを考える。ありきたりの議論ではなく、国際比較や経営上の常識に照らして、より深い問題意識を持つこと学ぶ。それらは、例えば、債務償還費の意味、所得分配はなぜ必要か、財政政策と金融政策の関係などである。
Students observe Japanese taxes and government expenditures, understand their respective problems, and think what kind of administrative and financial reforms are needed to develop the Japanese economy. Students can learn to have a deeper awareness of problems based on international comparisons and common sense in management, rather than ordinary discussions. These include, for example, the implications of debt redemption costs, necessity of income redistribution, and the relationship between fiscal and monetary policies.
到達目標 / Achievement Goal
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG4 Effective Communication
LG4 Effective Communication
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
日本の税と政府支出(資金の支出と調達は一体のもの)を概観し、それが日本経済の発展にどう貢献するかを理解する。
Students overview Japanese taxes and government expenditures (expenditure and procurement of fund cannot be separated), and understand how they can contribute to the development of the Japanese economy.
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 30 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 70 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
予習方法
ケースの理解
基本的事実の確認
基本的考え方の理解
その上で自分の考えの整理
事前に上記のことを理解しているかどうかを確認するレポートの提出を求める。
ケースの理解
基本的事実の確認
基本的考え方の理解
その上で自分の考えの整理
事前に上記のことを理解しているかどうかを確認するレポートの提出を求める。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
日本の税と政府支出提出レポート(講義の前提となる知識を確認するためのもの。A4数枚。)
税の一般理論、日本の主要な税、主要な税の問題点、税の改革はどのような観点から考えるべきか。財政の一般理論、日本の主要な政府支出、公債金に債務償還費が含まれていること、主要な支出の問題点、財政改革はどのような観点から考えるべきか。所得再分配についての考え方の整理。財政赤字の意味、財政赤字はなぜ悪いのか、支出の中身を考えないで負担をかんがえることに意味があるだろうか。
授業の前に、議論のための前提となる知識、問題点の理解を確認するための簡単な講義を行うが、その後はケースメソッドでの授業となる。クラスディスカッション、課題発見・解決型の授業である。以下のDay2においても同じ。
●使用するケース
ケース1 税によって経済が変わるケース2 日本の政府支出―何が問題か
第2日(Day2)
財政赤字と政府支出についての新しい考え方提出レポート
粗債務か純債務か、財政赤字の国際比較、財政赤字が悪いとしてどのように解決するべきか、プライマリー財政赤字の意味、債務と金利のダイナミクス、金融政策と財政政策の関係。日本の政府支出の大宗は社会保障費、社会保障について考えることが財政問題を考えること、政府支出の効率化については様々な議論がある、社会保障についての新しい考え方としてのベーシック・インカム。橋本行革時代の問題意識から学ぶ、財政と社会保障に関するところ、その他の部分についての感想。
●使用するケース
ケース3 財政赤字の意味と解決策ケース4 アメリカの経常収支赤字9-712-J11
ケース5 日本: 自由で公正で国際的か?CCJB-HBS-80055-01
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 70 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 70 % |
予習レポート Preparation Report | 30 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
事前レポートは指定の期日までにファイルで提出すること。教科書 Textbook
- 井堀利宏「財政学(新経済学ライブラリー)第4版」新生社(2013)ISBN-10:4883841928
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
日本の財政関係資料、財務省HP
https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201910_00.pdf
オリヴィエ・ブランシャール、田代毅「19-7 日本の財政政策の選択肢」ピーターソン国際経済研究所、2019年5月https://www.piie.com/system/files/documents/pb19-7japanese.pdf
原田泰『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』中公新書、2015年。ISBN-10: 4121023072
原田泰『都市の魅力学』講師より配布。文春新書、2001年。ISBN-10: 4166601601
原田泰『震災復興 欺瞞の構図』新潮新書、2012年。ISBN-10: 410610461X
https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201910_00.pdf
オリヴィエ・ブランシャール、田代毅「19-7 日本の財政政策の選択肢」ピーターソン国際経済研究所、2019年5月https://www.piie.com/system/files/documents/pb19-7japanese.pdf
原田泰『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』中公新書、2015年。ISBN-10: 4121023072
原田泰『都市の魅力学』講師より配布。文春新書、2001年。ISBN-10: 4166601601
原田泰『震災復興 欺瞞の構図』新潮新書、2012年。ISBN-10: 410610461X
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
事前に獲得すべき知識と討論の関係をより一層整合的なものにすることを心掛けている。
アサインメントの問いがやや分かりにくいことがあったようだが、より分かりやすく回答しやすいものになるようにした。
アサインメントの問いがやや分かりにくいことがあったようだが、より分かりやすく回答しやすいものになるようにした。
担当教員のプロフィール About the Instructor
1974年東京大学農学部農業経済学科卒業後、経済企画庁(現内閣府)入庁。同庁国民生活局国民生活調査課長、調査局海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、株式会社大和総研専務理事チーフエコノミスト、早稲田大学政治経済学術院教授、日本銀行政策委員会審議委員などを経る。
ハワイ大学経済学修士(1979年)、学習院大学経済学博士(2012年)
受賞
2008年10月10日 第29回石橋湛山賞受賞(『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、による)
2004年11月3日 第47回日経・経済図書文化賞受賞(『昭和恐慌の研究』(岩田規久男氏、中澤正彦氏他との共著)、東洋経済新報社、2004年、による)
Papers Published in Refereed Journals
“Policy Issues Regarding the Japanese Economy - the Great Recession, Inequality, Budget Deficit and the Aging Population,” Japanese Journal of Political Science, 13(2) 2012.
“Japan`s Financial Crisis In 1992 and Unbalanced Incentives,” Corporate Ownership & Control, 11, spring 2014, Special Conference Issue, Continued 2.
“Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?” Japanese Journal of Political Science, 19(4) 2018.
"Non-traditional Monetary Policies and their Effects on the Economy," International Journal of Economic Policy Studies, 2020 August.
著書編書
『日本の失われた十年』日本経済新聞社、1999年。
『奇妙な経済学を語る人々』日本経済新聞社、2003年。
『昭和恐慌の研究』(岩田規久男、中澤正彦氏他との共著、日経・経済図書文化賞受賞)、東洋経済新報社、2004年。
『デフレはなぜ怖いのか』文春新書、2004年。
『長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏、内閣府経済社会総合研究所との共編著)東洋経済新報社、2004年。
『人口減少社会は怖くない』(鈴木準氏との共著)日本評論社、2005年。
『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、石橋湛山賞受賞。
『日本はなぜ貧しい人が多いのか-「意外な事実」の経済学』新潮社、2009年。
『震災復興-欺瞞の構図』新潮社、2012年。
『昭和恐慌と金融政策』(佐藤綾野氏との共著)日本評論社、2012年。
『リフレが日本経済を復活させる』(浜田宏一氏、岩田規久男氏との共編著)中央経済社、2013年。
『日本を救ったリフレ派経済学』日本経済新聞社、2014年。
『ベーシック・インカム』中央公論社、2015年。
『アベノミクスは進化する』(片岡剛士・吉松崇氏との共編著)中央経済社、2017年。
『石橋湛山の経済政策思想』(和田みき子氏との共著)日本評論社、2021年。
『デフレと闘う 日銀審議委員、苦闘と試行錯誤の5年間』中央公論新社、2021年。
『コロナ政策の費用対効果』ちくま新書、2021年。
など
ハワイ大学経済学修士(1979年)、学習院大学経済学博士(2012年)
受賞
2008年10月10日 第29回石橋湛山賞受賞(『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、による)
2004年11月3日 第47回日経・経済図書文化賞受賞(『昭和恐慌の研究』(岩田規久男氏、中澤正彦氏他との共著)、東洋経済新報社、2004年、による)
Papers Published in Refereed Journals
“Policy Issues Regarding the Japanese Economy - the Great Recession, Inequality, Budget Deficit and the Aging Population,” Japanese Journal of Political Science, 13(2) 2012.
“Japan`s Financial Crisis In 1992 and Unbalanced Incentives,” Corporate Ownership & Control, 11, spring 2014, Special Conference Issue, Continued 2.
“Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?” Japanese Journal of Political Science, 19(4) 2018.
"Non-traditional Monetary Policies and their Effects on the Economy," International Journal of Economic Policy Studies, 2020 August.
著書編書
『日本の失われた十年』日本経済新聞社、1999年。
『奇妙な経済学を語る人々』日本経済新聞社、2003年。
『昭和恐慌の研究』(岩田規久男、中澤正彦氏他との共著、日経・経済図書文化賞受賞)、東洋経済新報社、2004年。
『デフレはなぜ怖いのか』文春新書、2004年。
『長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏、内閣府経済社会総合研究所との共編著)東洋経済新報社、2004年。
『人口減少社会は怖くない』(鈴木準氏との共著)日本評論社、2005年。
『日本国の原則』日本経済新聞出版社、2007年、石橋湛山賞受賞。
『日本はなぜ貧しい人が多いのか-「意外な事実」の経済学』新潮社、2009年。
『震災復興-欺瞞の構図』新潮社、2012年。
『昭和恐慌と金融政策』(佐藤綾野氏との共著)日本評論社、2012年。
『リフレが日本経済を復活させる』(浜田宏一氏、岩田規久男氏との共編著)中央経済社、2013年。
『日本を救ったリフレ派経済学』日本経済新聞社、2014年。
『ベーシック・インカム』中央公論社、2015年。
『アベノミクスは進化する』(片岡剛士・吉松崇氏との共編著)中央経済社、2017年。
『石橋湛山の経済政策思想』(和田みき子氏との共著)日本評論社、2021年。
『デフレと闘う 日銀審議委員、苦闘と試行錯誤の5年間』中央公論新社、2021年。
『コロナ政策の費用対効果』ちくま新書、2021年。
など
After graduating from the University of Tokyo in 1974, he joined the Economic Planning Agency of the Government of Japan. He received an M.A. in Economics from the University of Hawaii in 1979 and a Ph.D. from Gakushuin University in 2012. He worked as Director of the Overseas Research Division and Social Research Division, Economic Planning Agency; Vice President of the Policy Research Institute, Ministry of Finance; Chief Economist and Senior Managing Director of the Daiwa Institute of Research; Professor in the School of Political Science and Economics, Waseda University; and Member of the Policy Board, Bank of Japan.
He is the author of more than 60 books and many papers in refereed journals. Some books are academic, such as the Studies on the Showa Depression (with Kikuo Iwata, Former Vice Governor, Bank of Japan, and others), awarded the Nikkei Prize for Excellent Books in Economic Science; Theory and Empirical Studies on Prolonged Stagnation (with Koichi Hamada, Professor Emeritus of Yale University, and others); and The Showa Depression and Monetary Policy (co-author). Others are for general readership, such as Abenomics Evolves (co-author), Reflation Economics That Saved Japan, Basic Income, Why Are There Many Poor People in Japan, Principles of Japan (awarded the Ishibashi Tanzan Prize), Don’t Be Afraid of Population Declining Society (co-author), Why Is Deflation Scary?, Those Who Speak Strange Economics, and Japan’s Lost Decade.
Papers Published in Refereed Journals
“Policy Issues Regarding the Japanese Economy - the Great Recession, Inequality, Budget Deficit and the Aging Population,” Japanese Journal of Political Science, 13(2) 2012.
“Japan`s Financial Crisis In 1992 and Unbalanced Incentives,” Corporate Ownership & Control, 11, spring 2014, Special Conference Issue, Continued 2.
“Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?” Japanese Journal of Political Science, 19(4) 2018.
"Non-traditional Monetary Policies and their Effects on the Economy," International Journal of Economic Policy Studies, Forthcoming.
Refereed Articles
- (2020) Non-traditional monetary policies and their effects on the economy. International Journal of Economic Policy Studies
- (2018) Why was Wilsonian-Taisho moment lost in Japan in spite of its economic success?. Japanese Journal of Political Science 19(4 ): ISSN 1468-1099
Refereed Proceedings
- (2021). Challenges of overcoming Covid-19 and long-term growth. Business Cycle .Business Cycle Studies. 3. 1. On line https://www.jabc.jp/private/soukai36/kichouhoukoku.pdf