授業名 | Taxation and Business Strategy |
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Course Title | Taxation and Business Strategy |
担当教員 Instructor Name | 中村 信行(Nobuyuki Nakamura) |
コード Couse Code | EST119_G24V |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
授業形式 Class Format | Live Virtual |
単位 Credits | 1 |
言語 Language | JP |
科目区分 Course Category | 入門科目0系 / Pre |
学位 Degree | Exed |
開講情報 Terms / Location | 2024 GSM ONLINE Spring |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
経営における意志決定には多様な知見を必要としますが、必ず伴う税の問題を正しく判断し、正しく管理するという観点を加えることで、より高次な、イノベーティブで倫理観ある判断に繋がります。
Decisions in management require wide ranged perspective, and by adding the perspective of duly judging and managing the tax issues that always accompany, those judgements are made up higher-level, innovative and ethical.
授業の目的(意義) / Importance of this course
企業活動において租税はきってもきれない関係にあります。租税はコストでありリスクと捉えられるかもしれません。
本講座は、事業の様々な生じる租税の問題に対し、企業経営者の目線で、どのように取り組むかを考える授業です。
それには、租税が、どのように企業の意思決定に影響を与えるかを知らなければなりません。そして、租税をいかに管理するかを考えて欲しいと思います。
本講義は今年は春学期のみの開講となります(昨年までは春秋の開講でした。)。今年の秋学期にはTaxPlannigの講義を開講します。本講義は事業における租税の問題を扱い、TaxPlanningの講義は個人における租税の問題を扱うことにします。両講義は独立しておりかつ補完的です。
本講座は、事業の様々な生じる租税の問題に対し、企業経営者の目線で、どのように取り組むかを考える授業です。
それには、租税が、どのように企業の意思決定に影響を与えるかを知らなければなりません。そして、租税をいかに管理するかを考えて欲しいと思います。
本講義は今年は春学期のみの開講となります(昨年までは春秋の開講でした。)。今年の秋学期にはTaxPlannigの講義を開講します。本講義は事業における租税の問題を扱い、TaxPlanningの講義は個人における租税の問題を扱うことにします。両講義は独立しておりかつ補完的です。
Taxes are inextricably linked in corporate activities. It may be a cost and may be a risk.
This course is a class to think about how to address tax issues that arises in various business situations from the perspective of a corporate top decision maker.
For that purpose, first you must get the idea how taxes affect a company's decision making. Then the thing is how to manage them.
This course will be offered only in the spring semester this year (it was offered in spring and fall until last year). In the fall semester of this year, I will start ”TaxPlannig” course. This course will deal with business tax issues, while the TaxPlanning course will deal with individual tax issues. Both courses are independent and complementary.
This course is a class to think about how to address tax issues that arises in various business situations from the perspective of a corporate top decision maker.
For that purpose, first you must get the idea how taxes affect a company's decision making. Then the thing is how to manage them.
This course will be offered only in the spring semester this year (it was offered in spring and fall until last year). In the fall semester of this year, I will start ”TaxPlannig” course. This course will deal with business tax issues, while the TaxPlanning course will deal with individual tax issues. Both courses are independent and complementary.
到達目標 / Achievement Goal
タックス・プランニングの基本を通して、租税の企業の意思決定に与える影響のメカニズムを知って欲しいと思います。そして、ケース事例を通じて、企業経営のなかで租税とどのように向き合えばいいかを考えて下さい。税をリスクやコンプライアンスにとどめず、経営に役立つものとするよう考えてほしいです。
You will learn the mechanism how taxes affect a company’s decision making through the basics of tax planning.
Then, through cases, you will think about how to take positions to tax matters as a top executive
Then, through cases, you will think about how to take positions to tax matters as a top executive
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG8 Tax Accounting Consulting Skills (MSc)
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
租税の企業の意志決定にあたえる影響のメカニズムを知り、経営者として、リスクコントロールとしてだけでなく、コーポレートガバナンスの一つとして、租税を経営に活かす方法を知ることができます。そして、経営者として、経営判断に租税という項目を織り込めるという比較優位が得られます。
You will understand the mechanism of the impact of taxes on management, and I would like you to consider the way to utilize it in management not only as risk control but also as one of corporate governance.
This lecture gives you comparative advantage as a top executive you in that you can properly incorporate the tax issues into management decisions.
This lecture gives you comparative advantage as a top executive you in that you can properly incorporate the tax issues into management decisions.
SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals
Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 40 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 60 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
本講義は、事例研究を主としたケースメソッドにより実施します。
受講者は、まず「自らの仕事/個人の立場で経験した税務問題」を考えてください(レポートで事前提出をしてもらいます。)。
クラスでは具体的な事例における税制の考え方を理解し、それを踏まえた経営判断を討論することで、税務問題を経営判断するうえでの留意点、税務を経営に役立てる方策についての視点を養ってもらいます。事例の理解には、所得税、法人税の基本の理解は必要です。
2日という限られた時間ですが、受講生間のディスカッションを通して、受講者を主体とした学修体験により、知識の修得に加え受講生の実務家としての視野を広げることを目標とします。規範的・倫理的な議論が許されるし必要です。多様な価値観を交わしてください。
受講者は、まず「自らの仕事/個人の立場で経験した税務問題」を考えてください(レポートで事前提出をしてもらいます。)。
クラスでは具体的な事例における税制の考え方を理解し、それを踏まえた経営判断を討論することで、税務問題を経営判断するうえでの留意点、税務を経営に役立てる方策についての視点を養ってもらいます。事例の理解には、所得税、法人税の基本の理解は必要です。
2日という限られた時間ですが、受講生間のディスカッションを通して、受講者を主体とした学修体験により、知識の修得に加え受講生の実務家としての視野を広げることを目標とします。規範的・倫理的な議論が許されるし必要です。多様な価値観を交わしてください。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
テーマ:イントロダクション、税と企業の意思決定Ⅰタックスプラニングの基本的な概念を、教科書(租税法入門(第2版)増井良啓 Chapter22)を基に学びます。
企業の意思決定において税が関わる場面として、まず保険商品の課税問題を取り上げます。次に、国際取引形態の変更(利益移転)と組織再編成(欠損金の移転)をとりあげ、それぞれの場面で、税務側からみた問題点を議論します(事例の題材は判例からとっています。)
●使用するケース
事例研究:保険商品、国際取引形態の変更(移転価格税制)、組織再編成に関する事例第2日(Day2)
テーマ:税と企業の意思決定Ⅱ 税務におけるコーポレートガバナンス企業の意思決定において税が関わる場面として、企業利益の分配(株式報酬)の事例を取り上げます。
その後、経営者目線での、税務に関する意思決定を議論します。まず、Day1の事例において、税務側からみた問題点を織り込んだうえで、経営者(CEO)としての判断を議論します。次に、大企業、中小企業それぞれの立場で日常的な税務の管理をどのように行うか、税務問題を経営にどのように活かせるかを議論します。
●使用するケース
企業利益の分配、Day1の事例を経営者目線でみる、大企業の税務コーポレートガバナンス/中小企業の税務管理成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 60 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 60 % |
予習レポート Preparation Report | 40 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 0 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
教科書 Textbook
- 増井良啓「租税法入門(第3版)」有斐閣(2023)9784641228603
- 鈴木広樹、河江健史「税務コンプライアンスの実務」清文社(2015)97844335355858
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
増井「租税法入門(第2版)」(2018)を持っている者は新たに購入する必要はない。
税務戦略入門 ―タックス・プランニングの基本と事例― 渡辺智之 中央経済新報社 (2005)
租税法判例百選 中里実ほか 有斐閣 (第6版) (2016) (第7版)(2021)
税務戦略入門 ―タックス・プランニングの基本と事例― 渡辺智之 中央経済新報社 (2005)
租税法判例百選 中里実ほか 有斐閣 (第6版) (2016) (第7版)(2021)
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
税務と戦略を繋げた議論をする機会等、なかなか無いので、非常に勉強になりました。
担当教員のプロフィール About the Instructor
1984年東京大学法学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。主税局税制企画室長、主税局参事官(国際租税担当)、福岡国税局長、国税庁調査査察部長、国税不服審判所次長を経て、主に税制の企画及び税務執行の職務に従事。このほか、主計局、金融庁、内閣官房等においても勤務。スタンフォードMBA(1988年)。
【著作】
移転価格訴訟の将来展望(国際取引法学会9号 2024年3月)
外国事業体の法人該当性再考(税務事例 2023年7月)
企業買収において受贈益が生じた事例(税務事例 2023年1月)
資本剰余金と利益剰余金の双方を原資とする配当(混合配当)について(税務事例 2021年12月)
所得税と相続税・贈与税の二重課税論の着地点 (税大ジャーナル 2021年2月)
移転価格税制における残余利益の分割要因(国際商事法務 2021年11月)
CBC報告書の活用について(租税研究 2022年2月)
国税不服審判所裁決の動き(令和元年度~令和四年度)(税務事例)
協議団の発展 (税大ジャーナル 2020年7月)
カナダのGAARにおける濫用基準(国際商事法務 2022年5月)
インドの国際課税政策(租税研究 2021年5月)
中国BEPS後の動向について (租税研究 2020年9月)
米国税制改革の世界的な意味 (租税研究 2019年2月)
EUの2016年CCTB・CCCTB提案について (租税研究 2018年1月)
Tax Control Framework (TCF)について : 大企業の税務コンプライアンスにおける「税務統制の枠組み」(租税研究 2017年8月)
Action15(多国間協定)報告書について (租税研究 2016年8月)
効果的な税務コンプライアンスの確保に関する国際的な議論の動向 (共著) (租税研究 2015年7月)
【著作】
移転価格訴訟の将来展望(国際取引法学会9号 2024年3月)
外国事業体の法人該当性再考(税務事例 2023年7月)
企業買収において受贈益が生じた事例(税務事例 2023年1月)
資本剰余金と利益剰余金の双方を原資とする配当(混合配当)について(税務事例 2021年12月)
所得税と相続税・贈与税の二重課税論の着地点 (税大ジャーナル 2021年2月)
移転価格税制における残余利益の分割要因(国際商事法務 2021年11月)
CBC報告書の活用について(租税研究 2022年2月)
国税不服審判所裁決の動き(令和元年度~令和四年度)(税務事例)
協議団の発展 (税大ジャーナル 2020年7月)
カナダのGAARにおける濫用基準(国際商事法務 2022年5月)
インドの国際課税政策(租税研究 2021年5月)
中国BEPS後の動向について (租税研究 2020年9月)
米国税制改革の世界的な意味 (租税研究 2019年2月)
EUの2016年CCTB・CCCTB提案について (租税研究 2018年1月)
Tax Control Framework (TCF)について : 大企業の税務コンプライアンスにおける「税務統制の枠組み」(租税研究 2017年8月)
Action15(多国間協定)報告書について (租税研究 2016年8月)
効果的な税務コンプライアンスの確保に関する国際的な議論の動向 (共著) (租税研究 2015年7月)
I joined Ministry of Finance after I graduated from Univ. of Tokyo, Dept. of Law in 1984.
Since then, I pursued the carrier in the Ministry including the assignment to Tax Bureau (Head of Tax Law Planning Office and Council for International Taxation) and to National Tax Agency (Director-General of Fukuoka Regional Tax Office, Deputy Commissioner of National Tax Agency (in charge of large corporation tax compliance and tax fraud) , Vice Commissioner of National Tax Tribunal). Other than tax, my carrier includes postings to Budget Bureau, Financial Service Agency and Cabinet Office.
I was a graduate of Stanford GSB, a class of 1988.
Refereed Articles
- (2024) Taxaton on Loan for Use in Business Succession Planning. Journal of Business Succession (13):
- (2024) Prospect of Transactional Net Margin Method: Implicaitions derived from disputed cases. Tax Jurisprudence 591 9784433477448
- (2024) Prior period adjustment and tax treatment---How "accounting standards generally accepted as fair and approriate" works---. Journal of Japan Society for Management Accounting 27(1): 1349-0419
- (2024) Prospects of Transfer Pricing Litigation. The Japanese Association of International Business Law 9(9): 24240753