シラバス Syllabus

授業名 Executive Leadership
Course Title Executive Leadership
担当教員 Instructor Name 髙木 晴夫(Haruo Takagi)
コード Couse Code CLD208_G22V
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format Live Virtual
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 発展科目300系 / Advanced & Specialized
学位 Degree Exed
開講情報 Terms / Location 2022 GSM ONLINE Fall

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は、イノベーションを担うエグゼクティブに向けて、多様化の時代のリーダーシップと組織を教える。多様化を生き残る重要な要素こそフロンティアスピリットによるイノベーションである。本科目のケースはこの目的に向けて集めたものである。
This course teaches executives innovative leadership necessary to develop frontier businesses in diverting world. They are also expected to create and manage competitive organizations. Cases in this course are selected to attain this goal.

授業の目的(意義) / Importance of this course

21世紀は多様化の時代である。そこで経営を担う者は、その要請に応えるリーダーシップを発揮せねばならない。様々な環境において、様々な組織が様々なメンバー構成で活動する。経営者としてのexecutive leaderはどのようであるべきか。しかも多様化を生き残る重要な要素はイノベーションである。イノベーションをリードする人々こそ、それを体現するリーダーシップをせねばならない。このコースでは、このような役割を担う人々にリーダーシップを学ぶ場を提供する。
Changes, diversities, challenges, and innovations are the key words in this 21st century business environment. Executive leaders and their organizations are expected to highly perform there. This course teaches students what the essence of that leadership is and how they can develop their own leadership abilities to attain their business goals in the 21st century.

到達目標 / Achievement Goal

多様なビジネス事例を議論することにより世界的視野で多様化を理解する。このことを通じて、関わる人、社会、国との相互理解力を強化し、倫理観に立脚しての革新的リーダーシップを学ぶ。

Discussing diverting business cases leads to worldwide understanding of business diversity. This learning help executives develop effective communication among people, societies and countries and have ethical and innovative leadership.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

経営者になるとはどのようなことかを知る。
危機時の経営アクションを学ぶ。
組織の文化と人々の価値観を理解する。

To learn how to become executive leader and what it means.
To get action-levers to control business crisis.
To understand culture in organizations and values in peoples' mind.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 100 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

事前予習ノートの提出をすることで、グループ討議、クラス討議を行う。教師を交えての受講生同士の議論が相互フィードバックとなり、学習を深める。教師は適宜に質疑応答を行う。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Session 1
テーマ:組織の危機管理
使用ケース:
聖路加国際病院:地下鉄サリン事件への対応 (KBSケース)
アサインメント(事前予習設問):
(1)サリン事件に対応した聖路加国際病院の院長、医師、看護婦(師)、事務職員の活動にはどのような特徴が見られるか。そのうち対応に効果的であった特徴はどのようなことか。効果的となったのはなぜか。
(2)1のような活動が可能となったのは、聖路加国際病院であることの要因としてどのようなものがあるか。あるいは一般に病院という専門組織であることの要因としてはどのようなものがあるか。
(3)1のような活動はビジネス企業の組織でも危機対応/緊急対応としてなされるべきか。そのための条件や要因はどのようなものか。あるいは、なされるべきでないか。

Session 2
使用ケース:
キューバミサイル危機 (KBSケース)
ピッグズ湾(A)  (KBSケース)
ピッグズ湾(B)  (KBSケース)
アサインメント(事前予習設問):
3つのケースを読み、ケネディー大統領が対応した2つの危機において、設問①そのリーダーシップの違い、設問②危機対応チームとその活動の違い、設問③課題の違い、を比較、分析せよ。

<DAY1 小レポート筆記(Day1授業終了前30分間)>
次の2つの課題について1ページの小レポートを書いて(30分)オンライン提出してください。
課題①:DAY1のセッション1あるいは2を選んで(両方のセッションをまとめてもよい)、あなたなりに学んだポイントを1つ、2つ上げて記述してください。課題②:明日以降のあなたの仕事でそのポイントはどのように役立ちそうですか、あるいは役立ちにくいですか、検討してください(役立つ役立たないのどちらで書いてもよいです)。


●使用するケース
Day1の授業スケジュールの項に記載されている。

第2日(Day2)

Session 3
テーマ:人事制度という組織インフラ:日本企業について
使用ケース:
成海工業株式会社の「山送り」(KBSケース)
アサインメント(事前予習設問):
(1)成海工業の組織で行われてきた「山送り」について、どのようなことが原因で行われてきたかのか。あるいは、組織のもの事がどのような順番で生じることで山送りになるのか。
(2)山送りを「する」側の人々は何を考えているだろうか。「される」側の人々は何を考えているだろうか。
(3)一般に終身雇用であるときに、経営者であるあなたは、社員全員が高い動機づけで能力向上するわけではないことを、どのように整理して理解しようとしますか。

Session 4
テーマ:人事制度という組織インフラ:外資系企業について
使用ケース:
レトワールジャパン株式会社(KBSケース)
アサインメント(事前予習設問):
(1)レトーワールジャパンの組織で行われる業績評価と退職制度は、会社側から見て、どのような合理性をもっているか。会社側から見て、その制度の下で働く人はどのような考えを持つべきか。
(2)ケースに書かれている退職にいたった人について、その人はどのような考えで退職して行くと思われるか。その人の退職は社内の他の人々にどのような影響を与えると思うか。
(3)ケースには書かれていないが、レトワールジャパンには業績評価の結果、昇進や報酬を得る人もいるはずで、そのような人はどのような考えで昇進や報酬を受け取ると思われるか。
(4)一般に外資系的な成果主義の組織であるときに、経営者であるあなたは、業績を上げ続ける者が組織の上位者となって力を持ち(比較的に少ない人数となる)、上げ続けられない者は昇進機会が限られるまま(比較的に多い人数となる)か、退職となることを、あなたはどのように整理して理解しようとしますか。

<DAY2 小レポート筆記(Day2授業終了前30分間)>
次の2つの課題について1ページの小レポートを書いて(30分)オンライン提出してください。
課題①:DAY2のセッション3あるいは4を選んで(両方のセッションをまとめてもよい)、あなたなりに学んだポイントを1つ、2つ上げて記述してください。課題②:明日以降のあなたの仕事でそのポイントはどのように役立ちそうですか、あるいは役立ちにくいですか、検討してください(役立つ役立たないのどちらで書いてもよいです)。







●使用するケース
Day2の授業スケジュールの項に記載されている。

第3日(Day3)

Session 5
テーマ: 経営者の理念に賛同するとはどのようなことか(規模の小さい企業のケースを扱うことで、ビジネス、理念、経営者、従業員の全体を見渡すことをします)
使用ケース:
R-STORE  21st century classic 創出を目指して (KBSケース)
(参考情報
https://www.r-store.jp
https://www.wantedly.com/companies/r-store
アサインメント(事前予習設問):
(0)Zoomのアンケート機能を使って、受講生の皆さんが勤務する企業や組織の理念に、皆さん自身がどの程度共鳴しているか、匿名調査して共有します。
(1)道明寺社長が構築したR-Storeのビジネスモデル(儲かる仕組み)はどのように構築されていると考えるか。その強みと弱みは何か。
(2)道明寺社長の起業の理念はどのようなものか。ビジネスモデルを成り立たせる上でその理念はどのような役割を果たしているか。
(3)道明寺社長の理念は、他の人(社員あるいは後継者)にとってどの程度までの理解と共鳴が可能と思うか。

Session 6
使用ケース:
ある診療所の不可解な出来事(A)  (KBSケース)
アサインメント(事前予習設問):
(1)Aケースの終了時点において、藤原医師はどのような発想でどのようなアクションが取れるか。いくつかの選択肢を作ってください。
(2)それらの選択肢を実行した後に生じる出来事についてどのようなメリット・デメリットを見込みますか。
(注意:BケースとCケースを授業中に配布して議論を深めます)

<DAY3 小レポート筆記(Day3授業終了前30分間)>
次の2つの課題について1ページの小レポートを書いて(30分)オンライン提出してください。
課題①:DAY3のセッション5あるいは6を選んで(両方のセッションをまとめてもよい)、あなたなりに学んだポイントを1つ、2つ上げて記述してください。課題②:明日以降のあなたの仕事でそのポイントはどのように役立ちそうですか、あるいは役立ちにくいですか、検討してください(役立つ役立たないのどちらで書いてもよいです)。






●使用するケース
Day3の授業スケジュールの項に記載されている。

第4日(Day4)

Session 7
テーマ:
日本企業の変革
使用ケース:
再建プロデューサー村井勉  (KBSケース)
アサインメント(事前予習設問):
(1)村井氏の会社再建(組織変革)の手法はどのような要素からなっていたと考えるか。ケースは時系列で3つの事例を述べている。もし、それらを一貫する村井氏なりの手法と言えるものがあれば抽出して下さい。
(2)あるいは、事例ごとに村井氏は若干なりとも学びを得て手法を変えていたと考えられるなら、それはどのような点か、なぜ変えたのか。
(3)3つの企業すべてにおいて村井氏は外部者としてのトップであった。外部者であることの強み弱みはどのようなことか。仮に内部出身者のトップが行うのであれば、その強み弱みにはどのようなことがあるか。特に内部出身者の弱みについてはどのような補強が必要か。

Session 8
テーマ:
米国企業では先に業績を上げると組織文化が変わる?
使用ケース:
「組織文化を変えるを目標にしてはいけない」(Harvard Business Review 論文)
アサインメント(事前予習設問):
(1)企業勤務の経験の中で、あなたは「この会社の文化を改善しなければ業績の向上は望めない」という「文化→業績」の考え方をしたことがありますか。もしあれば、それは具体的に、どのように悪い文化で、どのように悪い業績でしたか。開示できる範囲で良いので、教室で共有させてください。
(2)その時に、あなたが「文化→業績」の考え方をしたのはなぜですか。あなたはなぜ「業績→文化」の考え方をしなかったのですか。
(3)HBR論文の4人のCEOは「業績→文化」の考え方で経営改革をしました。彼らはなぜ「文化→業績」の考え方をとらずに、「業績→文化」の考え方をしたのでしょうか。それぞれのCEOの人物的要因と、企業の組織構造的要因、経営環境的要因とを考慮すると、あなたはどのような意見を持ちますか。

<DAY4 小レポート筆記(Day4授業終了前30分間)>
次の2つの課題について1ページの小レポートを書いて(30分)オンライン提出してください。
課題①:DAY4のセッション7あるいは8を選んで(両方のセッションをまとめてもよい)、あなたなりに学んだポイントを1つ、2つ上げて記述してください。課題②:明日以降のあなたの仕事でそのポイントはどのように役立ちそうですか、あるいは役立ちにくいですか、検討してください(役立つ役立たないのどちらで書いてもよいです)。





●使用するケース
Day4の授業スケジュールの項に記載されている。

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 35 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 35 %
予習レポート Preparation Report 35 %
小テスト Quizzes / Tests 30 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

成績評価について
3つの要素で成績とします。
① 事前予習レポート(35%)
各セッション(6を除く)のケースの事前予習設問につき、予習ノートを書いてオンライン提出する。これらすべての予習ノートで35%の重みとなる。書式自由だが、学籍番号、氏名、日付を記入する。分量は各セッションにつきA4で1ないし2枚とする。
② クラス討議での発言貢献(35%)
自主的で積極的な発言のインセンティブとするために加点主義とする。発言の内容で減点することはない。科目全体を通しての発言貢献で35%の重みとなる。
③ 小テスト(30%)
4つのDAYの最終の30分を使って小テストの筆記を行う。その日の授業内容について受講者にとっての意味と役立ちについて検討する設問を各DAYに提示する。筆記分量はA4で1枚。学籍番号、氏名、日付を記入する。4回の小レポートで成績評価の30%の重みとなる。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 配布資料

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

「リーダーシップ」高木晴夫(NUCB)著、2020、ディスカバー21

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

昨年において2週末科目として初めて授業し、好評であったので、一部ケースを入れ替えて、本年も同様の授業を行う。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

 名古屋商科大学教授、および慶應義塾大学名誉教授。2014年まで慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授。2018年まで法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科教授。長年にわたりMBA(経営学修士)課程で「組織マネジメント」科目を教えてきた。専門は組織行動学。人が人の集団を動かすための研究を続けており、教育でもその成果を持ち込み、教員と学生による双方向型の活発な授業運営を行う。日本におけるケースメソッドの第一人者として知られている。
 1973年慶應義塾大学工学部管理工学科卒業、75 年修士課程修了、78 年博士課程単位取得退学。84年ハーバード大学ビジネススクール博士課程修了、経営学博士号(DBA)取得。78 年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、85 年助教授、94 年より2014年まで教授。14年より慶應義塾大学名誉教授。同時に法政大学ビジネススクール教授(2018年まで)。2018年より名古屋商科大学ビジネススクール教授に就任。
主な著書に『トヨタはどうやってレクサスを創ったのか』『組織能力のハイブリッド戦略』、訳書に『【新版】組織行動のマネジメント』 (以上、ダイヤモンド社)、監修書に『ケースメソッド教授法入門』(慶應義塾大学出版会)など多数がある。
 2011年、NHK 番組「白熱教室JAPAN」のために、慶應ビジネススクールのMBA学生総計200名とともに4回の授業を行い、熱気あふれるケースメソッド授業が4回にわたって放映された。

Education:
1973 Bachelor, Keio University, Department of Administration Engineering. 1975 Master of Science, Keio University, Graduate School of Administration Engineering. 1984 Doctor of Business Administration, Harvard University, Graduate School of Business Administration.

Biography:
1978 Assistant professor, Keio University, Graduate School of Business Administration. 1985 Associate professor, Keio University, Graduate School of Business Administration. 1994-2014 Professor, Keio University, Graduate School of Business Administration. 2014 Professor emeritus, Keio University. 2014-2018 Professor, Hosei University, Graduate Scholl of Innovation Management. 2018- Professor, Nagoya University of Commerce and Business, Graduate School of Business Administration.

Refereed Articles

  • (2016) Leadership Theories I Created~Old, New, then Brand-new to Incorporate Brain Science and Gig Data. Keio Business Review 2016(1): 0387-7086






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