シラバス Syllabus

授業名 Executive Leadership
Course Title Executive Leadership
担当教員 Instructor Name 髙木 晴夫(Haruo Takagi)
コード Couse Code CLD208_G21V
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format Live Virtual
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 発展科目300系 / Advanced & Specialized
学位 Degree Exed
開講情報 Terms / Location 2021 GSM ONLINE Fall

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本科目は、イノベーションを担うエグゼクティブに向けて、多様化の時代のリーダーシップと組織を教える。多様化を生き残る重要な要素こそフロンティアスピリットによるイノベーションである。本科目のケースはこの目的に向けて集めたものである。
This course teaches executives innovative leadership necessary to develop frontier businesses in diverting world. They are also expected to create and manage competitive organizations. Cases in this course are selected to attain this goal.

授業の目的(意義) / Importance of this course

21世紀は多様化の時代である。そこで経営を担う者は、その要請に応えるリーダーシップを発揮せねばならない。様々な環境において、様々な組織が様々なメンバー構成で活動する。経営者としてのexecutive leaderはどのようであるべきか。しかも多様化を生き残る重要な要素はイノベーションである。イノベーションをリードする人々こそ、それを体現するリーダーシップをせねばならない。このコースでは、このような役割を担う人々にリーダーシップを学ぶ場を提供する。
Changes, diversities, challenges, and innovations are the key words in this 21st century business environment. Executive leaders and their organizations are expected to highly perform there. This course teaches students what the essence of that leadership is and how they can develop their own leadership abilities to attain their business goals in the 21st century.

到達目標 / Achievement Goal

多様なビジネス事例を議論することにより世界的視野で多様化を理解する。このことを通じて、関わる人、社会、国との相互理解力を強化し、倫理観に立脚しての革新的リーダーシップを学ぶ。

Discussing diverting business cases leads to worldwide understanding of business diversity. This learning help executives develop effective communication among people, societies and countries and have ethical and innovative leadership.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

経営者になるとはどのようなことかを知る。
危機時の経営アクションを学ぶ。
経営会議の知的生産性を向上させるスキル。

To learn how to become executive leader and what it means.
To get action levers to control business crisis.
To learn how to increase intellectual performance of executive meetings.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 100 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

事前予習ノートの提出をすることで、グループ討議、クラス討議を行う。教師を交えての受講生同士の議論が相互フィードバックとなり、学習を深める。教師は適宜に質疑応答を行う。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Session 1 
テーマ:組織の危機管理

使用ケース:
聖路加国際病院:地下鉄サリン事件への対応 (KBSケース)

アサインメント(事前予習設問):
(1)サリン事件に対応した聖路加国際病院の院長、医師、看護婦(師)、事務職員の活動にはどのような特徴が見られるか。そのうち対応に効果的であった特徴はどのようなことか。効果的となったのはなぜか。
(2)1のような活動が可能となったのは、聖路加国際病院であることの要因としてどのようなものがあるか。あるいは一般に病院という専門組織であることの要因としてはどのようなものがあるか。
(3)1のような活動はビジネス企業の組織でも危機対応/緊急対応としてなされるべきか。そのための条件や要因はどのようなものか。あるいは、なされるべきでないか。


Session 2 
テーマ:危機管理のリーダーシップ

使用ケース:
キューバミサイル危機 (KBSケース)
ピッグズ湾(A)  (KBSケース)
ピッグズ湾(B)  (KBSケース)

アサインメント(事前予習設問):
3つのケースを読み、ケネディー大統領が対応した2つの危機において、設問①そのリーダーシップの違い、設問②危機対応チームとその活動の違い、設問③課題の違いを比較、分析せよ。


<DAY1小レポート筆記>
次の2つの課題について1ページの小レポートを書いて(30分)オンライン提出してください。
課題①:DAY1のいずれかのセッションを選んで(複数のセッションをまとめてもよい)、あなたなりに学んだポイントを1つ、2つ上げて記述してください。課題②:明日以降のあなたの仕事でそのポイントはどのように役立ちそうですか、あるいは役立ちにくいですか、検討してください(役立つ役立たないのどちらで書いてもよいです)。



●使用するケース
授業スケジュール①に記載されている。

第2日(Day2)

Session 3 
テーマ:起業して経営者になる

使用ケース:
瀬名知良 (A) ~『起業家精神』と『リーダーシップ』の行方 ~ (KBSケース)

アサインメント(事前予習設問):
(1)瀬名氏は、急激に組織拡大した「株式会社イースコープ」の経営において、どのような経験をしたか。瀬名氏にとってそれはどのような意味を持ったと考えるか。
(2)「株式会社イークエスト」の事業が成功しなかったのはどのような理由からであると考えるか。1での経験はどのように関連していたか、関連していなかったか。

<注意>授業途中で(B)ケースをオンライン配布し議論を深める。

Session 4
テーマ:起業家経営者と共に仕事する

使用ケース:
ベンチャー電子工業株式会社  (KBSケース)

アサインメント(事前予習設問):
(1)加藤氏はどのような問題に直面しているか。
(2)中村社長の経営のやり方をあなたはどのように考えるか。
(3)加藤氏は今後どのようにすべきか。


<DAY2小レポート筆記>
次の2つの課題について1ページの小レポートを書いて(30分)オンライン提出してください。
課題①:DAY2のいずれかのセッションを選んで(複数のセッションをまとめてもよい)、あなたなりに学んだポイントを1つ、2つ上げて記述してください。課題②:明日以降のあなたの仕事でそのポイントはどのように役立ちそうですか、あるいは役立ちにくいですか、検討してください(役立つ役立たないのどちらで書いてもよいです)。


●使用するケース
授業スケジュール②に記載されている。

第3日(Day3)

Session 5
テーマ:感染症の組織危機管理

使用ケース:
HIVポジティヴ (A)(KBSケース)  (Bケース、Cケースは授業中オンライン配布)

アサインメント(事前予習設問):
(1)上野部長の直面する問題の本質は何か。
(2)その解決のポイントをどこに求めるか。


Session 6
テーマ:経営危機での組織対応

使用ケース:
雪印乳業の食中毒事件 (A)(B)(C)(D) (ワード印刷)(授業中に順次オンライン配布)
(ケースの注記に、原著者の承諾を得た時点での高木の勤務大学として法政大学を記している)

アサインメント(事前予習設問):
事前予習設問はなし
授業時にケースを順次配布しつつ、講義を行う(PPT配布)。


<DAY3小レポート筆記>
次の2つの課題について1ページの小レポートを書いて(30分)オンライン提出してください。
課題①:DAY3のいずれかのセッションを選んで(複数のセッションをまとめてもよい)、あなたなりに学んだポイントを1つ、2つ上げて記述してください。課題②:明日以降のあなたの仕事でそのポイントはどのように役立ちそうですか、あるいは役立ちにくいですか、検討してください(役立つ役立たないのどちらで書いてもよいです)。



●使用するケース
授業スケジュール③に記載されている。

第4日(Day4)

Session 7 
テーマ:人事制度という組織インフラ:日本企業と外資系企業の組織の違い

使用ケース:
成海工業株式会社の「山送り」
レトワールジャパン株式会社

アサインメント(事前予習設問):
(1)成海工業の組織で行われてきた「山送り」について、どのようなことが原因で行われてきたかのか、あるいは、組織のもの事がどのような順番で生じることで山送りになるのか。
(2)山送りを「する」側の人々は何を考えているか、「される」側の人々は何を考えているか。
(3)レトーワールジャパンの組織で行われる業績評価と退職制度は、会社側から見て、どのような合理性をもっているか。その制度の下で働く人はどのような考えを持つべきか。
(4)ケースに書かれている退職にいたった人について、その人はどのような考えで退職して行くと思われるか。その人の退職は社内の他の人々にどのような影響を与えると思うか。ケースには書かれていないが、レトワールジャパンには業績評価の結果、昇進や報酬を得る人もいるはずで、そのような人はどのような考えで昇進や報酬を受けると思われるか。


Session 8
テーマ:企業を成長させる

使用ケース:
iRobot Japan G.K. 2020(A)-アイロボット社の誕生と日本市場進出- (KBSケース)
iRobot Japan G.K. 2020(B) -挽野元の挑戦 第2創業期のリーダーシップ-  (KBSケース)

アサインメント(事前予習設問):
2つのケースを通して読み、次の設問をもとに予習してください。
(1)Aケースついて、米国アイロボット・コーポレイションの成長においてコリン ・ アングルは組織文化の形成に努力した。 経営トップの努力傾注として特に組織文化に重点をおいたコリン ・ アングルのやり方をあなたは、どのような視点から、どのように評価するか。
(2)Aケースついて、日本市場に進出する時、アイロボットの組織文化を移植することが最優先事項とはされず、日本側企業の持つマーケティング力をアイロボットが重視する経営判断がなされた(結果的に経営問題を生んでいく)。この経営判断をあなたは、どのような視点から、どのように評価するか。
(3)Bケースついて、アイロボット・ジャパン合同会社となってからの挽野氏の第2創業期のリーダーシップについて、どのような評価をするか。彼のとったどのような判断や行動、あるいはどのようなリーダーシップやマネジメント、に注目するか。どのような理由でそれらに注目するのか。
<注意:挽野氏がクラスを訪問して下さるよう依頼中です。>


<DAY4小レポート筆記>
次の2つの課題について1ページほどのレポートを書いて(30分)オンライン提出してください。
課題①:DAY4のいずれかのセッションを選んで(複数のセッションをまとめてもよい)、あなたなりに学んだポイントを1つ、2つ上げて記述してください。課題②:明日以降のあなたの仕事でそのポイントはどのように役立ちそうですか、あるいは役立ちにくいですか、検討してください(役立つ役立たないのどちらで書いてもよいです)。


●使用するケース
授業スケジュール④に記載されている。

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 35 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 35 %
予習レポート Preparation Report 35 %
小テスト Quizzes / Tests 30 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

成績評価について
3つの要素で成績とします。
① 事前予習レポート(35%)
各セッション(6を除く)のケースの事前予習設問につき、予習ノートを書いてオンライン提出する。これらすべての予習ノートで35%の重みとなる。書式自由だが、学籍番号、氏名、日付を記入する。分量は各セッションにつきA4で1ないし2枚とする。
② クラス討議での発言貢献(35%)
自主的で積極的な発言のインセンティブとするために加点主義とする。発言の内容で減点することはない。科目全体を通しての発言貢献で35%の重みとなる。
③ 小テスト(30%)
4つのDAYの最終の30分を使って小テストの筆記を行う。その日の授業内容について受講者にとっての意味と役立ちについて検討する設問を各DAYに提示する。筆記分量はA4で1枚。学籍番号、氏名、日付を記入する。4回の小レポートで成績評価の30%の重みとなる。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 配布資料

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

「リーダーシップ」高木晴夫(NUCB)著、2020、ディスカバー21

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

昨年において新規科目として授業し、好評であったので、本年も同様の授業を行う。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

 名古屋商科大学教授、および慶應義塾大学名誉教授。2014年まで慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授。2018年まで法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科教授。長年にわたりMBA(経営学修士)課程で「組織マネジメント」科目を教えてきた。専門は組織行動学。人が人の集団を動かすための研究を続けており、教育でもその成果を持ち込み、教員と学生による双方向型の活発な授業運営を行う。日本におけるケースメソッドの第一人者として知られている。
 1973年慶應義塾大学工学部管理工学科卒業、75 年修士課程修了、78 年博士課程単位取得退学。84年ハーバード大学ビジネススクール博士課程修了、経営学博士号(DBA)取得。78 年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、85 年助教授、94 年より2014年まで教授。14年より慶應義塾大学名誉教授。同時に法政大学ビジネススクール教授(2018年まで)。2018年より名古屋商科大学ビジネススクール教授に就任。
主な著書に『トヨタはどうやってレクサスを創ったのか』『組織能力のハイブリッド戦略』、訳書に『【新版】組織行動のマネジメント』 (以上、ダイヤモンド社)、監修書に『ケースメソッド教授法入門』(慶應義塾大学出版会)など多数がある。
 2011年、NHK 番組「白熱教室JAPAN」のために、慶應ビジネススクールのMBA学生総計200名とともに4回の授業を行い、熱気あふれるケースメソッド授業が4回にわたって放映された。

Education:
1973 Bachelor, Keio University, Department of Administration Engineering. 1975 Master of Science, Keio University, Graduate School of Administration Engineering. 1984 Doctor of Business Administration, Harvard University, Graduate School of Business Administration.

Biography:
1978 Assistant professor, Keio University, Graduate School of Business Administration. 1985 Associate professor, Keio University, Graduate School of Business Administration. 1994-2014 Professor, Keio University, Graduate School of Business Administration. 2014 Professor emeritus, Keio University. 2014-2018 Professor, Hosei University, Graduate Scholl of Innovation Management. 2018- Professor, Nagoya University of Commerce and Business, Graduate School of Business Administration.

Refereed Articles

  • (2016) Leadership Theories I Created~Old, New, then Brand-new to Incorporate Brain Science and Gig Data. Keio Business Review 2016(1): 0387-7086






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