シラバス Syllabus

授業名 Transforming Leadership
Course Title Transforming Leadership
担当教員 Instructor Name 長沢 雄次(Yuji Nagasawa)
コード Couse Code CLD206_G24N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 発展科目300系 / Advanced & Specialized
学位 Degree Exed
開講情報 Terms / Location 2024 GSM Nagoya Fall

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

 本コースは、本校のミッションである:
The School’s mission is to develop leaders who, through a ‘Frontier Spirit’, are equipped to succeed in the globalized business reality. These leaders will have the ability to bridge the gap between New Asia and the rest of the world, and to bring innovation and high ethical standards to their management practices.
を達成する目的で設計されています。
This course is designed to achieve the mission of NUCB Business School:
“The School’s mission is to develop leaders who, through a ‘Frontier Spirit’, are equipped to succeed in the globalized business reality. These leaders will have the ability to bridge the gap between New Asia and the rest of the world, and to bring innovation and high ethical standards to their management practices.”

授業の目的(意義) / Importance of this course

本コースはAdvanced Management Programの一つの講義に位置付けられています。
 
 受講生はMBAの勉学で多くの日本企業のケースを学習しています。そして、日本国内の企業で働いています。その中で日本企業に共通している病や困難に気付いているはずです。

具体的には:
1. 国際競争力の低下
2. 企業の新陳代謝が進まない。新しい企業が育たない。
3. 多角化が思うように進まない
4. リスクを取らない経営
5. 変化を好まない経営
6. 利潤を溜め込んで投資しない経営
7. 良い人材が採用できない。教育しても育たない。
8. 若者に働く意欲がない
まだまだたくさんあります。

 なぜ、このようなことが日本企業共通に起こるのでしょうか?

 このコースでは、その病や困難の根源が、日本の社会・経済・政治・国民性・文化に根ざしているからと断定します。

具体的には:
1. 人口減少と高齢化
2. 社会福祉制度の崩壊
3. 国家財政の破綻
4. 地方の過疎化と東京への一局集中
5. 働き手人口の減少
6. 憲法改正を含む、国家の重要課題の議論の先延ばし
7. 政治への無関心
まだまだたくさんあります。

つまり、このままでは日本の企業は、日本を中心拠点としている限りは、成長することは望めません。日本企業であること自体が、最大の経営リスクになっています。

という講師の危機意識の下に、このコースはスタートします。

このコースの目的は ズバリ 日本の変革 です。
「閉塞感溢れる日本の社会・経済・政治を我々がどう変革していったら良いのか?どうしたら日本を救えるのか?」
をケース討議で徹底的に議論します。
8本のNUCBケースを使います。
いずれも、一企業でなく、日本全体の抱えている根源的な課題を取り上げたケースです。

日本を変革する高い志を持った皆さんと議論するのを楽しみにしています。
This course is designed as one of Advanced Management Program.

Students have learned many Japanese companies’ cases at MBA program. Many of you actually work at Japanese companies. You surely are aware that most of them are suffering from similar diseases and difficulties.

Specifically,
1. Losing international competitiveness
2. Old companies have not been replaced by new ones, because new ones cannot emerge or grow
3. Difficulties in diversification
4. Risk-averse management
5. Fear-in-change management
6. Save earnings without investment
7. Failure in recruiting good people and in training
8. Young generation loose working objectives
And, many others are.

Why do you think common managerial issues occur at Japanese companies?
My answer is it happens because all diseases and difficulties are rooted in Japanese society, economy, politics people and culture.

Specifically,
1. Decrease in population and aging
2. Collapse of social welfare system
3. Collapse of national finance
4. Declining population in rural areas and centralization to Tokyo
5. Decrease in working population
6. Procrastination of discussion in national emergent topics like constitutional reform
7. Indifference in politics
And, many others are.

In short, if we stay the same, Japanese companies will not be able to grow as long as they operate within Japanese context.
You can say that the ultimate risk factor for Japanese companies is Japanese nation itself.

This recognition of the risk is why I decided to start this course.

The objective of this course is to TRANSFORM JAPAN.
“How can we transform hopeless Japan, in terms of society, economy, politics, people and culture? How can we rescue Japan?”

We will discuss them thoroughly at the class with 8 NUCB cases. every one of which contains topics of overall Japanese difficulties, not limited within specific company’s one.

I am looking forward to discussing with all of you who have high ambition to TRANSFORM JAPAN.

到達目標 / Achievement Goal

LG1:Critical Thinking
LG2:Diversity Awareness
LG3:Ethics Decision Making
LG4:Effective Communication
LG5:Executive Leadership
LG6:Innovative Leadership
LG7:Global Perspective
本コースの学修目標は、上記の全てです。

LG1:Critical Thinking
LG2:Diversity Awareness
LG3:Ethics Decision Making
LG4:Effective Communication
LG5:Executive Leadership
LG6:Innovative Leadership
LG7:Global Perspective

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

 このコースは、以下のリーダーシップを持った人材の育成を目指しています。
1.日本全体を変革する気概と能力を持ったリーダー
2.自社の経営課題を、国家的視点・世界的視点から解決できるリーダー
3.日本の現状を打破する、気概のあるアントレプレナー精神を持ったリーダー
4.将来政治家を目指すリーダー
5. この講義での学びを実践できるリーダー

This course designed to develop leadership capabilities described as follows:
1. Leaders to lead to transform Japan with high ambition
2. Leaders to solve managerial issues from high perspectives of Japan and the world
3. Leaders to destroy conventional wisdom and start new venture with entrepreneurial spirit
4. Leaders to make politician in the near future
5. Leaders to execute what they lean at this course

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 8 働きがいも経済成長も(Decent Work and Economic Growth)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 100 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

(学習方法)
本コースのすべてのセッション(計8回)は全てケースディスカッションで構成されます。受講者はシラバスに指示された質問事項に関して討議準備をしてください。受講生はクラス討議の間に準備した回答を発言・プレゼンテーションするように講師から指示されます。講義の進め方・準備に関しては、コース開始前にケースブックが配布されるタイミングで、詳細の指示を致します。

(レポート)
各Sessionに事前に示された課題に関して、分析・考察レポートを各回提出して下さい。課題は開講前に詳細に告知します。提出締め切りは各Sessionの開始直前までとします。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

 利権とボス
Concession and Boss

2024年12月14日(土) 10:00-13:00
(概要)
プロ野球は設立から70年以上経った今もなお続くビジネス構造を築きあげ、プロとしての野球が隆盛を極めるまでに至った。その中で巨人軍がプロ野球で果してきた役割を探っていく。そのビジネス構造は時代の変化と共に利権と化し、そして地上波での放映が一切なくなるという衰退を辿っている。世界のスポーツビジネスから極めて異端なものとして今なお生き続けるプロ野球ビジネスを素材に、日本のビジネス界全体を覆う闇を議論したい。

 官は民を欺く
Government Deceives People

2024年12月14日(土) 13:40-16:40
(概要)
既に飽和状態の大学業界において、各大学は生き残りに向けて様々な施策を展開していた。創立130年を超えた法政大学では、文部科学省が推し進める「スーパーグローバル大学創成事業」にどのように申請すべきか議論が行われていた。文部科学省という国の省庁の規制・統制、大学という特殊な非営利団体の組織文化・組織風土の中、どのように大学の今後を大きく左右する意思決定をするのかを議論する。官が規制権限と補助金をベースに政策誘導し、民間企業がそれにひれ伏す異常な日本の官民関係の是非を議論したい。



●使用するケース
プロ野球のスポーツビジネスとしての未来 〜㈱読売巨人軍 2012年〜
グローバル化のゆくえ  法政大学 2014(A)(B)

第2日(Day2)

 後進国日本
Japan as Underdeveloped Country

2024年12月15日(日) 10:00-13:00
(概要)
日本のスタートアップ企業が世界的に量・質ともに見劣りしていると言われる中、このままの状況が続けば、日本はどうなるのか?かつて、ソニー・ホンダを輩出した日本のスタートアップは何故にもこんな後進国状態になってしまったのか?イノベーション支援に携わる佐山は日本を再び世界のトップクラスのイノベーション大国とするための新たなベンチャー支援を遂行する決断を迫られていた。日本の社会・経済の根底に潜む、企業成長に対する阻害要因を浮かび上がらせたい。

 日本人の働き方
Why Japanese Work?

2024年12月15日(日) 13:40-16:40
(概要)
メイテックは、エンジニア派遣のリーディングカンパニーとして長らく業界を牽引してきた。日本の人材派遣ビジネスの30年以上に及ぶ歴史は、景気の動向に揺さぶられ、舳先は立法に委ねられ、政府意向の潮流に流され、社会変化の荒波に揉まれながら、労働市場に密接に関わってきた。その労働市場は常に変化を続け、政府が推し進める「働き方改革」は、労働市場に大きな変革をもたらす事は間違いなかった。労働に対する「働き方」「対価」「人材確保」に関する議論を進めながら、日本の労働市場の在り方、そして、日本人の労働に関する意識の後進性を議論したい。


●使用するケース
挑戦する人と共に未来を拓く ベンチャーサポート 2019
プロフェッショナルの量産は可能か  株式会社メイテック 2018

第3日(Day3)

 変化しない人々
Unchanging People

2024年12月21日(土) 10:00-13:00
(概要)
第二次世界大戦などの辛い時代を乗り越えNECは成長を続け、高度な技術を持って様々な製品を日本の市場に送り出し、世界に誇れる電機メーカーとして時代を謳歌した。創設から100年を過ぎた、2000年代以降から歯車が突然狂いだすようにNECの業績は急下降することになった。NECの複数の歴代社長に渡り集中と選択とリストラを繰り返した。しかし、全て裏目に出てしまう。そこには環境の変化に対応できない経営力の欠如、変わる環境下でのイノベーション力の欠如があった。日本企業の典型的な弱点の原因を抽出しながら、その克服に向けた議論をしたい。

 海図なき国家経営
Leading Nation without Chart

2024年12月21日(土) 13:40-16:40
(概要)
小規模ながら愛知県愛西市で先祖伝来の農地を保有して農業を営んでいる主人公家は、高度経済成長期の近代化に伴う日本の農業の衰退とともに、赤字経営に陥っていた。主人公の父親は、会社勤めをしながら農業を営む兼業農家だったが、会社を退職した2003年以降は家業に専念していた。しかしながら、生産する米や野菜等を自家消費する自給的農家だったため、農業収入は殆どなく、年金生活をしていた。実家の承継の是非に悩む主人公の視点を借りながら、日本の農業の衰退原因、そして、将来の農業、将来の一次産業、将来の日本の産業全体に視野を広げて、日本の変革方法を議論したい。


●使用するケース
拙い存在価値、虚ろな後悔  NEC 2021
小規模農家の挑戦  農業スタートアップ 2019

第4日(Day4)

 日本人を考える
Thinking of Japanese

2024年12月22日(日) 10:00-13:00
(概要)
日本では、世界的にも人類が経験したことのないスピードで進む少子高齢化が根源となり、様々な困難に直面するという国家の未来予想図が描かれている。「現在の日本には停滞感や閉塞感が蔓延している」と言われたときに、疑いもなく納得する日本人は少なくないだろう。それにも関わらず、日本人の危機意識が醸成されることはなく、国民的な議論への発展の萌芽すら見えない現状に疑問を覚える主人公が、個人レベルにおいて何を実行して、どのように社会に貢献すべきかを模索する。そして、日本という国や国民の特徴やその根底にある教育に関連する課題へと思考を広げていく。教育問題を主としながら、個人レベルでの我々が、日本を変革する為に何をなすべきかを議論したい。

 あるべき日本の姿
Goal of Transformation

2024年12月22日(日) 13:40-16:40
(概要)
日本社会は多くの構造的な課題を抱え、そしてそれが放置されている。結果、日本の経済力が低下し、国際競争力を失いつつある。その中で活動する企業の多くは低成長から脱出できない。どこから日本を改革すべきであろうか?そしてどのように?ケースライターは、その突破口として、日本社会のあるべき姿はどのような姿なのか、日本社会は社会構造の変化にどう対応すればよいのか。社会を構成している国家・企業・国民の役割は何なのか。日本社会の在り方を問うている。コースのこれまでの議論を振り返りながら、最後は、MBAの枠を超えた日本国家論を一緒に語りたい。コース全体の総括セッション。


●使用するケース
あるがままは善か悪か  日本の教育 2019
志士のごとく 風雲篇  日本社会 2018(A)
志士のごとく 回天篇 日本社会 2018(B)

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 50 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 50 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

クラス討議貢献度: 50%
クラス発言・プレゼンテーションなど個人評価
各回(計8回)レポート: 50%

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  •  「配布資料」 ( )

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

なし

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

一昨年度授業評価点:4.82点
高評価につき大きな変更はありません

担当教員のプロフィール About the Instructor 

東京大学工学部卒業後、日商岩井株式会社入社。情報通信システム開発プロジェクトに従事。米国ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。後、本社経営企画部にて全社経営戦略策定業務に従事、更に通信事業部ニューメディア課長として情報通信&マルチメディア分野の営業第一線で活躍。ニフティ株式会社にてインターネットビジネスの戦略的展開に従事した後、ソフトバンク株式会社入社。ジオシティーズ株式会社COO,カーポイント株式会社副社長として、インターネット事業立ち上げを指揮。その後プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社ダイレクターとして情報通信・メディア・エンタテイメント企業の経営コンサルティング従事。サンケイリビング新聞の資本参加を得て女性市場向けのマーケティングサービスを提供する株式会社ライブリッジを起業。その後ITベンチャー株式会社テック・インデックス社長としてベンチャー最前線で活躍し、現在名古屋商科大学教授。直近11年間連続で学生講義評価NO1を賞するOutstanding Teaching Award受賞。

Yuji Nagasawa

Education:
MBA, Harvard Business School
BS in Electric Engineering, Tokyo University

Biography:
After working 20 years for Nissho-Iwai Corporation, one of Japan’s largest trading houses, Mr. Nagasawa joined Softbank group and started up two IT venture companies, where he acted as COO. He moved to the position of head of the E-Business consulting unit at PricewaterhouseCoopers and performed extensive consulting work for major companies. Mr. Nagasawa founded his own consulting firm in 1992 and ran it as a founder for 4 years. In 1996, he decide to go back to venture management and was named active CEO of TechIndex, one of the most prominent venture companies in the Japanese mobile industry. Mr. Nagasawa joined the faculty of NUCB as a professor in 2011, and since then, has won the Outstanding Teaching Award for 11 straight years. Mr. Nagasawa is 70 years old with a wife and 2 children. He is very good at aerobics.







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