シラバス Syllabus

授業名 Ethics & Governance in Healthcare
Course Title Ethics & Governance in Healthcare
担当教員 Instructor Name 姉川 知史(Tomofumi Anegawa)
コード Couse Code CLD105_G24N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format Campus & Live
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 発展科目300系 / Advanced & Specialized
学位 Degree Exed
開講情報 Terms / Location 2024 GSM Nagoya Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

 フロンティアスピリット,イノベーティブで,倫理観あるリーダーの育成に不可欠な領域としてHealthcare の倫理とガバナンスを検討し,ビジネス界や社会の発展をもたらすことをめざす。
 To teach healthcare sector with focusing on ethics, governance, and policies. which is required for business people with a global perspective, advanced management skills, and high ethical standards.

授業の目的(意義) / Importance of this course

 学生・社会人を対象にして医療にかかわる企業,医療機関,研究機関,NPO,政策主体,消費者等の多様な主体が関与するヘルスケア・マネジメントにおける倫理,ガバナンス,経営を検討する。ヘルスケア・システムとその資金循環,健康の決定要因,インプットとしてのヘルスケア,医薬品企業,医療機器企業,市場と規制,生命倫理,グローバルヘルス等の題材をとりあげる。
 In targeting students and professionals, this deals with management, ethics and governance of healthcare system consisting of various stakeholders including firms, hospitals, academics, non-profit organizations, regulators, and consumers. We choose topics such as overview of healthcare system and its finance, health and its determination, effects of healthcare services, pharmaceutical firms and medical device firms, market and regulation, ethics, and global health.

到達目標 / Achievement Goal

1.ヘルスケアに関する個人,企業,医療機関,産業,社会の全体像の俯瞰能力を獲得する。
2.日本のヘルスケアの課題を設定し,それを解決する展望と能力を獲得する。
3.ヘルスケアを分析するときの基本枠組み,分析方法,分析結果を理解する。

1.To have an overview on health care sector consisting of people, firms, medical institutes, industries, and society.
2. To achieve capacity to establish problems of health care sector and solve it.
3. To understand a framework, analytical tool, and results of health care sector.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

(1) ヘルスケア・システムと資金循環
(2) 健康とその決定要因
(3) 医療サービスの特色とシステム 
(4) 健康の価値と医療技術
(5) 市場,倫理,規制
(6) 研究開発マネジメントと知的財産権 
(7) 地域,医療,グローバル・ヘルス
(8) 経済成長と危機管理
(9) SDGSと医療
(10) 感染症とグルーバル危機

(1) healthcare system and finance
(2) health and its determinants
(3) properties of medical service and market
(4) value of health and medical technology
(5) market, ethics, and regulations
(6) research and development and intellectual property rights
(7) region,health, and global health
(8) economic growth and crisis management
(9) SDGS and health
(10) Pandemic and Global Crisis

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 3 すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-being)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 10 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 90 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

学習方法
 本科目はヘルスケアにかかわるマネジメントについて,ミクロ,マクロの双方の観点から,重要な論点を概観する事例教材,参考文献が指定されています。文献量は一見多いように見えますが,実際には背景説明のためのレファレンス部分が大部分です。これらの指定教材だけで自己完結的に分析が可能です。
 学生はアサインメントの設問を中心に,自らの「課題設定」,「現状分析」,「解決策の提示」,「評価と説明」といったケース分析の標準手法に即して,自らの選択で「中心的課題に限定して,分析を行う」必要があります。すべての論点を同じように分析するのではなく,自身の課題設定に即して,必要な情報を読みとり,教材を活用するところに力点を置いてください。
 授業ではいくつかの重要論点ごとのモジュールに分けて取り組む予定です。科目名の翻訳は「ヘルスケアにおける企業倫理とガバナンス」であり,次のように編成します。
 第1に,日本の経済と社会をマクロ的に捉え,そこでの「成長戦略」における「ヘルスケア産業」の展望を分析します。
 第2に,ヘルスケア産業とは人と消費者の生命,安全,健康に関わる多様なサービスの供給主体として想定し,通常の医療サービスにとどまらず,医薬品,医療機器,IT等の業種,また機能としては,研究開発,製造,卸・小売を含みます。 
 第3に,倫理とガバナンスにおいては,その関係主体として,営利企業,非営利企業を含めたビジネス・医療機関,大学・研究機関,行政・規制主体,消費者・住民等の多様な関係主体を想定し,そのMulti-Stakeholderの関係に注目します。健康に関わる財・サービスすべてをヘルスケア産業と位置付けることで,参加者の出身母体の背景を含めて,一般の国民としても,多様な討議を行います。
 第4に,安全と健康をめぐる品質の問題,危機対応,企業のガバナンスについて議論します。
 第5に,ヘスケア産業の供給する財・サービスの価値と価格について検討します。事例としては医薬品がヘルスケア産業の代表例としてわかりやすく,その価格,日本における薬価規制,グローバル・ヘルス等が議論の対象となります。
 今年度はとくにCOVID-19の危機対応と経済,社会への影響と,グローバリゼーションの視点を重要な論点として検討します。
 授業ではアサインメントによって論点を例示しますが,討議はそれに限定せず,課題設定,分析は参加者の自発性と自由な討議を取り入れますので,自由に議論して結構です。

 授業時間は1日5時間40分,4日間合計20時間40分で,予習時間とレポート・試験作成は合計で授業時間の2倍を最低基準として想定します。これは個人で事前準備です。当日の授業時間ではグループ討議を授業開始前の40分の他,適時取り入れますが,基本はクラス討議時間です。クラス討議において,まとまった内容を提示する発表形式の発言も重視します。

宿題
 アサインメントの設問の事前課題を,A4用紙1枚1000字を数枚程度にまとめて授業時間前9:00までに提出してください。図表を用いても結構ですが,文章による表現も行ってください。箇条書きや図表だけでは不可です。

試験・レポート課題
 授業総合として,試験に代わるレポート形式の試験を最終日,最後の時間枠で提示します。これは上記の宿題につて授業を反映して訂正,書き直したものに。Report課題として短いエッセー作成を予定します。これは授業終了後の翌週日曜日の23:59を締め切りとします。

フィードバック
試験と合わせて一部,授業内で行い,全体は授業終了後, 成績確定後を予定します。

教材一覧
教材一覧(黒字は2020年度と同じ,赤字は今年度新規,番号は資料番号)
0.アサインメント(2023年版)この資料,講師送付
1. 事例「2023年の日本経済の現状と成長」講師新規作成
2. 事例「2023年の日本のヘルスケア産業」講師新規作成
3.事例「2023年のグローバル・ヘルス」講師新規作成
4.事例「デシジョン・ツリー分析」講師作成,改訂版
5. 事例「エピペンの価格設定: 痛みを伴う決断」Darden,日本ケースセンター
6. 事例「Project and Porfolio Management of XYZ Pharma」LBS
7. 資料ファイル,Appendix: Project data of 「XYZ Simulation Estimated Data」LBS
8.事例「COVID-19の危機管理-ワクチン接種2021年6月」講師作成送付済
9. 事例「新型コロナウィルス感染症:2020-2022」講師新規作成
10. 事例「ある老人の終末期医療-死生と意識」 講師新規作成
11. 事例「ある死生観―記憶と模索」講師新規作成

「参照資料」(一部のみ使用)
12. 事例「日本のコーポレート・ガバナンス:2023年版(「 経済学の企業理論」参照部分)講師改訂
13. 事例「新型コロナウィルス感染症:2020年2月 Breakout」(背景説明,参照のみ)
14. 「Impact of COVID-19 on Mental Health of Youth-Anxiety, Stress, and Recklessness-」(新型コロナウィルス感染症:2020年8月,第2波)(背景説明,参照のみ)
「配布資料」
01 資料1 「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」(2023改訂版)講師送付
02 資料2 「疾患とデータ」(2023年改訂版)講師送付
03 資料3 「医療倫理の原則」

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Session 1 
<主題:統計データ,確率,意思決定>
使用ケース
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例1」
資料2『疾患とデータ』 事例1-5

アサインメント
上記教材該当箇所を読み,以下の点を検討せよ。
1-1.資料2「疾患とデータ」「事例2 Gender Bias」について検討し,疾患と健康に関する統計データの分析方法と解釈を付加せよ。
1-2. 資料2「疾患とデータ」事例4 肺癌検診の効果, 事例5 肺癌検診の理論的検討について分析せよ。まず,通常のマネジメント教育における「直観的」データ分析方法によって検討せよ(宿題2)。さらに疫学等の予備知識のある学生はそれも付加して分析せよ。
1-3.資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例1 どのタクシー会社が事故を起こしたのか-証言は信用できるか-What color of your taxi cab?」を分析せよ。これと同種の問題は医療教育,法律教育,ビジネス教育にどのように応用すべきかを検討せよ。

Session 2 
<コーポレート・ガバナンス,医療倫理,危機管理>
使用ケース
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例2 Johnson&Johnson, Tylenol青酸カリ混入事件」参照資料

アサインメント
2-1. Johnson&Johnsonの企業理念,Credo, 倫理,文化,その他を検討し,Tylenol青酸カリ混入事件に対する対応を分析せよ。ここではヘルスケア産業とりわけ医薬品企業における安全,リスク,危機対応のマネジメント,それが企業理念,その他の要因とどう関係するかを分析せよ。さらに,別の日本の医薬品企業,例えば武田薬品工業の経営理念,Purpose経営,CSR,その他(『2022年統合報告書』)等と比較して異同を検討せよ。ヘルスケア企業の経営理念等の在り方と限界,課題について検討せよ。

2-2. Johnson&Johnsonはこの事件の後,社会的に高い評価を受け続けてきた(Johnson & Johnson
Ranking the Brand, https://www.rankingthebrands.com/)。ところが,その後, Johnson&Johnsonのリスクマネジメントについて,Opioid訴訟,Baby Powderの発癌性に関する訴訟等,それがならずしも機能しない事例が生じた。論ぜよ。

Session 3 
<主題:経済政策とヘルスケア産業の俯瞰 Part1>

使用ケース
1. 事例「2023年の金融・財政・成長政策-アベノミクスと新しい資本主義-」(とりわけ財政と社会保障,成長戦略の部分)
2. 事例「2023年のヘルスケア産業」
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例3.Principal and Agent 問題」
10. 事例「ガバナンスの経済学」(「5 経済学の企業理論」参照)

アサインメント
3 今後10年から20年の中期における日本の社会,経済,ヘルスケア産業はどうあるべきか,ヘルスケアを中核とした社会保障,健康政策,経済成長,技術はどうあるべきか。安倍政権(2012-2020)以降,政府はどのように課題設定をし,どのように対応したのか。その政策効果を評価せよ。

3-1 医療,介護を核とするヘルスケア産業の内容と範囲を特定し,その特徴を整理し,産業の全体像を図示せよ。

ヒント: 多様な関係主体, 異なるStakeholdersが関与し,統一的な意思決定者(decision maker),調整者(coordinator)がないという,ヘルスケア・サービスの典型事例を想定せよ。

3-2 ヘルスケア・サービスにおける「情報の非対称性」と「不確実性」等,財・サービスとしての特性を検討し,ヘルスケアの倫理とガバナンスについて,思いつく事例を例示して検討せよ。

3-3 資料1,事例3.Principal and Agent 問題のa,b,gを解答せよ。
そのマネジメントを分析する「組織論」の枠組みをこれまでの経営学の学習を参考にして検討せよ。

3-4.財政政策と社会保障の関係について,「税と社会保障の一体改革」を含めて目的,方法,評価について分析せよ。



●使用するケース
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例1」
資料2『疾患とデータ』 事例1-5
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例2 Johnson&Johnson, Tylenol青酸カリ混入事件」参照資料
1. 事例「2023年の金融・財政・成長政策-アベノミクスと新しい資本主義-」(とりわけ財政と社会保障,成長戦略の部分)
2. 事例「2023年のヘルスケア産業」
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例3.Principal and Agent 問題」
10. 事例「ガバナンスの経済学」(「5 経済学の企業理論」参照)
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例2 Johnson&Johnson, Tylenol青酸カリ混入事件」参照資料
事例「2023年の日本経済の現状と成長」(とりわけ財政と社会保障,成長戦略の部分)
事例「2023年の日本のヘルスケア産業」(とりわけ健康・医療戦略の部分)
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例3.Principal and Agent 問題」
事例「日本のコーポレート・ガバナンス」(「 経済学の企業理論」参照)

第2日(Day2)

Session 4 
<主題:医療,リスク,意思決定>
使用ケース
3.事例教材「デシジョン・ツリー分析」
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例4. 期待効用理論-リスク・所得・効用」「事例5. 期待効用理論‐健康・余命・効用」ならびに「付属資料1.期待効用理論」

アサインメント
4-1  資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例4. 期待効用理論-リスク・所得・効用」「事例5. 期待効用理論‐健康・余命・効用」を使用して,それぞれあなたの効用関数を求めよ (宿題3)。
4-2 資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」「事例8. HPVワクチン接種」を分析し,自身の娘にHPVワクチン接種を勧めるべきかについて検討せよ。さらに公的観点に立つ,政策担当者,医療関係者の立場の観点に立ち,デシジョン・ツリー分析等の意思決定方法を応用して健康指標と不確実性,効果と費用を加味して,どのように判断すべきか,HPVワクチン接種の意思決定を検討せよ(宿題4)。

Session 5 
<主題:経済政策とヘルスケア産業の俯瞰 Part2>
使用ケース
1. 事例「2023年の金融・財政・成長政策-アベノミクスと新しい資本主義-」(とりわけ財政と社会保障,成長戦略の部分)
2. 事例「2023年のヘルスケア産業」
教科書 池上直己『日本の医療と介護 歴史と構造、そして改革の方向性』日本経済新聞出版,2017

アサインメント
5. 安倍政権(2012-2020)における社会保障と財政改革について論点を整理し,アサインメント3-4の「税と社会保障の一体改革」,医療費削減を含めた社会保障改革の目的と方法,財政改革ならびにヘルスケア産業を中核とする成長政策を評価せよ。

Session6
<医薬品産業の革新とエコロジー・システム>
2. 事例教材「2023年のヘルスケア産業」
12. 事例教材/産業ノート「日本の医薬品産業」2007
17. 日本製薬工業協会『Data Book, 2023』2023,https://www.jpma.or.jp/news_room/issue/databook/ja/

アサインメント
6. 2007年時点の日本の医薬品産業と,2023年時点の医薬品産業とを比較して,2007年時点の日本の医薬品産業について,いかなる問題があり,どう解決すべきであったかを検討せよ。


●使用するケース
3.事例「デシジョン・ツリー分析」
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例4. 期待効用理論-リスク・所得・効用」「事例5. 期待効用理論‐健康・余命・効用」ならびに「付属資料1.期待効用理論」
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」「事例8. HPVワクチン接種」
1. 事例「2023年の金融・財政・成長政策-アベノミクスと新しい資本主義-」
2. 事例「2023年のヘルスケア産業」
教科書 池上直己『日本の医療と介護 歴史と構造、そして改革の方向性』日本経済新聞出版,2017
2. 事例「2023年のヘルスケア産業」
12. 事例/産業ノート「日本の医薬品産業」2007
17. 日本製薬工業協会『Data Book, 2023』2023,https://www.jpma.or.jp/news_room/issue/databook/ja/

第3日(Day3)

Session 7 
<主題:技術的不確実性のマネジメント>
使用ケース:「 Project Portfolio Management at XYZ Pharma 」
資料ファイル Appendix: Project data of 「XYZ Simulation Estimated Data」 (表計算シート).

アサインメント
7-1 医薬品研究開発Projectのように技術的,制度的な不確実性がある場合にNPV法をどのように修正すべきか,そのProject価値評価方法を資料ファイルのProject1について検討せよ。

7-2 大規模医薬品企業が多数のプロジェクトを管理するためのProduct Portfolio Managementはどうあるべきか。組織内の対立に伴う課題を想像して,その効果的導入・実施方法を検討せよ。

7.3 医療関係のStartup企業は通常,少数の財・サービスのProjectからのキャッシュフローを期待するが,それが実現していない段階でProject Managementを行う。その適切な事例を見つけて,留意すべきマネジメントを検討せよ。

Session 8 
<臓器移植の倫理と市場>
使用ケース 
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例10. 腎臓移植と臓器売買」
「事例11. Nudgeと健康」
日本泌尿器学会他「腎摘出術による病気腎(小径腎腫瘍)を用いた修復腎移植の先進医療適応に関する要望書」2017
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000183329.pdf

アサインメント
8-1 臓器提供者を増やす方法を検討せよ。
8-2 臓器提供者に経済的対価を支払うのは適切か。市場取引の可否を検討せよ。
8-3 日本で臓器移植が困難な場合,海外で移植手術を受けるのは適切か。

Session 9 
<主題:経済政策とヘルスケア産業の俯瞰 Part3 職域・地域>
使用ケース
10. 事例 2023年のヘルスケア産業
事例資料 (非配布) 『事例を通じて、我がまちの地域包括ケアを考えよう「地域包括ケアシステム」事例集成~できること探しの素材集~』日本総合研究所,平成26(2014)年3月
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000073805.pdf
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」「事例12.地域中核拠点病院の移転」
資料9 長野県「地域包括ケア体制の構築状況の調査結果について」https://www.pref.nagano.lg.jp/kaigo-shien/hcare_chouosa_kekka.html また,その「調査結果」https://www.pref.nagano.lg.jp/kaigo-shien/documents/h30chousakekka.xlsx
資料10. ウェルネス『二次医療圏データベースシステム』https://www.wellness.co.jp/siteoperation/msd/

アサインメント
9-1 国・経済産業省は企業の職域別の「健康経営」を奨励している。この現状と課題について,事例をあげて検討せよ。
9-2『事例を通じて、我がまちの地域包括ケアを考えよう「地域包括ケアシステム」事例集成~できること探しの素材集~』第1章と第2章を詠み,さらに自身の関心をもった地域事例を選択して,自身の課題を設定し,分析せよ。



●使用するケース
使用ケース:「 Project Portfolio Management at XYZ Pharma 」
資料ファイル Appendix: Project data of 「XYZ Simulation Estimated Data」 (表計算シート).
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」の「事例10. 腎臓移植と臓器売買」
「事例11. Nudgeと健康」
日本泌尿器学会他「腎摘出術による病気腎(小径腎腫瘍)を用いた修復腎移植の先進医療適応に関する要望書」2017
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000183329.pdf
事例資料 (非配布) 『事例を通じて、我がまちの地域包括ケアを考えよう「地域包括ケアシステム」事例集成~できること探しの素材集~』日本総合研究所,平成26(2014)年3月
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000073805.pdf
資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」「事例12.地域中核拠点病院の移転」
資料9 長野県「地域包括ケア体制の構築状況の調査結果について」https://www.pref.nagano.lg.jp/kaigo-shien/hcare_chouosa_kekka.html また,その「調査結果」https://www.pref.nagano.lg.jp/kaigo-shien/documents/h30chousakekka.xlsx
資料10. ウェルネス『二次医療圏データベースシステム』https://www.wellness.co.jp/siteoperation/msd/
参考資料1「Ethics and Governance of Healthcare 補足資料」「事例10.地域中核拠点病院の移転」
参考資料2   OECD Youth Week Youth and COVID-19, Response, Recovery and Resilience
参考資料 12. 「Impact of COVID-19 on Mental Health of Youth-Anxiety, Stress, and Recklessness-」(新型コロナウィルス感染症:2020年8月,第2波)(背景説明,参照のみ)

第4日(Day4)

Session 10 
<主題:原因と結果:EBM(Evidenced Based Medicine),費用と効果:医療技術評価 (Heatlh
Technology Assessment)>
使用ケース
資料2「疾患とデータ」「事例8. 音楽と健康」
資料5「臨床的意思決定における経済的分析」 Douglas L. McGee , 2015『MSDマニュアル,プロフェッショナル版』
資料6  津川友介「医療政策研究と因果推論」https://healthpolicyhealthecon.com/2014/09/26/evaluative-science-and-statistics/
資料7 津川友介『「原因と結果」の経済学』の無料公開!https://healthpolicyhealthecon.com/2017/12/02/causal-inference-book/

参考文献(平易な内容)津川友介「費用効果分析(CEA)と医療技術評価(HTA)」
https://healthpolicyhealthecon.com/2016/05/18/cea-and-hta/
田倉智之「透析医療に医療経済学を応用する概念」『透析会誌』45(2) 101-105, 2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/45/2/45_2_101/_pdf

アサインメント
10-1「事例8.音楽療法」について,音楽療法の健康効果確認する方法を検討せよ。音楽の健康に対する効果ははたして科学的に示されるであろうか。
10-2 血液透析,腎移植についてその効果と費用を検討するとき「医療技術評価(Health Technology
Assessment)の目的,方法,体制を検討し,その活用方法,留意点を検討せよ。その研究をどう実施すべきか。これらの研究が医療と社会に対する影響を予測せよ。
Session 11 
<主題:COVID-19と日本>
使用ケース:
6.事例「COVID-19の危機管理-ワクチン接種2021年6月」
資料11 厚生労働省『保健医療2035』2015
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035//future/
資料12 上記提言書 
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/assets/file/healthcare2035_proposal_150609.pdf
資料13. 動画,2016/11/26(1)原量宏講師(香川大学瀬戸内圏研究センター特任教授) 「周産期医療と遠隔医療-日本の遠隔医療の現状と課題」https://www.youtube.com/watch?v=P65asgOg87E
資料14. 動画,2021/02/27 原 量宏 講師(香川大学 名誉教授,同 瀬戸内圏研究センター特任教授)「超小型モバイル胎児モニター(iCTG)の開発とそのグローバル展開~コロナの時代に役立つ遠隔妊娠管理~」https://www.youtube.com/watch?v=uBLy8TtSJt8
資料15. アクセンチュア『日本におけるデジタルヘルス活用の現状と課題』2022/02/01,
https://www.accenture.com/jp-ja/insights/health/digital-adoption-healthcare-reaction-revolution-part1
資料16. アクセンチュア『デジタルヘルス普及に向けた考察』2022/02/01,
https://www.accenture.com/jp-ja/insights/health/digital-adoption-healthcare-reaction-revolution-part2

アサインメント
11-1 日本の医療制度と社会制度について,COVID-19で明らかになった課題と解決策を検討せよ。
11-2 Digital Healthにはどのような可能性があるか。また,それに関する日本の問題は何か。
11-3 グローバル・ヘルスについて日本の課題と解決策を検討せよ。

Session 12 
<主題>総括,死生観とヘルスケア
9. 事例教材「ある高齢者の終末期医療」
10.事例教材「ある死生観-記憶と模索」

アサインメント 
12-1. 9. 事例教材「ある高齢者の終末期医療」 において,胃瘻を依頼すべきか。
12-2. 10. 事例教材「ある死生観-記憶と模索」の末尾の「設問事例」のなかの11あるいは12について,小論文解答形式で述べよ。
12-3 本科目で履修した内容のなかで関心のある題材を選択して,記述せよ。


●使用するケース
資料2「疾患とデータ」「事例8. 音楽と健康」
資料5「臨床的意思決定における経済的分析」 Douglas L. McGee , 2015『MSDマニュアル,プロフェッショナル版』
資料6  津川友介「医療政策研究と因果推論」https://healthpolicyhealthecon.com/2014/09/26/evaluative-science-and-statistics/
資料7 津川友介『「原因と結果」の経済学』の無料公開!https://healthpolicyhealthecon.com/2017/12/02/causal-inference-book/
参考文献(平易な内容)津川友介「費用効果分析(CEA)と医療技術評価(HTA)」
https://healthpolicyhealthecon.com/2016/05/18/cea-and-hta/
田倉智之「透析医療に医療経済学を応用する概念」『透析会誌』45(2) 101-105, 2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/45/2/45_2_101/_pdf
6.事例「COVID-19の危機管理-ワクチン接種2021年6月」
資料11 厚生労働省『保健医療2035』2015
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035//future/
資料12 上記提言書 
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/assets/file/healthcare2035_proposal_150609.pdf
資料13. 動画,2016/11/26(1)原量宏講師(香川大学瀬戸内圏研究センター特任教授) 「周産期医療と遠隔医療-日本の遠隔医療の現状と課題」https://www.youtube.com/watch?v=P65asgOg87E
資料14. 動画,2021/02/27 原 量宏 講師(香川大学 名誉教授,同 瀬戸内圏研究センター特任教授)「超小型モバイル胎児モニター(iCTG)の開発とそのグローバル展開~コロナの時代に役立つ遠隔妊娠管理~」https://www.youtube.com/watch?v=uBLy8TtSJt8
資料15. アクセンチュア『日本におけるデジタルヘルス活用の現状と課題』2022/02/01,
https://www.accenture.com/jp-ja/insights/health/digital-adoption-healthcare-reaction-revolution-part1
資料16. アクセンチュア『デジタルヘルス普及に向けた考察』2022/02/01,
https://www.accenture.com/jp-ja/insights/health/digital-adoption-healthcare-reaction-revolution-part2
9. 事例教材「ある高齢者の終末期医療」
10.事例教材「ある死生観-記憶と模索」

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 5 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 65 %
予習レポート Preparation Report 10 %
小テスト Quizzes / Tests 5 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 20 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

予習レポートは提出の有無,予習程度のみを採点する。不明な点は「わからない」として提出して構わない。評価においては授業内の挙手の発言(プレゼンテーション)の比率が3分の2と高い。発言は質問,異論を含めてすべて肯定的に評価する。とりわけクラス討議全体を主導し,刺激するもの,他の学生の発言を補い,あるいはコメント,批判するものなどは良い発言とする。他方,重要な意味のない発言はマイナスとはならないが,大きなプラスにはならない。時間があれば小テストを予定する。期末レポートは予習レポートを修正し,毎日のアサインメントから選択した課題をエッセーとして付け加える内容である。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 池上直己「『日本の医療と介護 歴史と構造、そして改革の方向性』」日本経済新聞出版(2017)978-4532134693

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

姉川知史「日本の医薬品産業」吉森賢編『世界の医薬品産業』2007,東京大学出版会,東京.
姉川知史「日本の薬価基準制度-過去25年の制度と評価」55-76. 鴇田忠彦,近藤健文編『ヘルスリサーチの新展開』2003東洋経済新報社,東京.
ピンダイク,ルビンフェルド「ピンダイク&ルビンフェルド ミクロ経済学 (1)  とくに第5章「不確実性と消費者行動」KADOKAWA/中経出版(2014)978-4046011022
「ピンダイク&ルビンフェルド ミクロ経済学 (2)  とくに第13章「ゲーム理論と競争戦略」第17章「情報の非対称性と市場」第18章「外部性と公共財」KADOKAWA/中経出版(2014)978-4046011039
財務省『日本の財政関係資料』(最新版)現時点は2019年10月版https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201910_00.pdf
その他の資料は「講義ノートに記載」

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

1.肯定的評価は「俯瞰的な視点で、専門性の高い授業」,「最新の課題をマクロ的に理解できた」,「学生の発言を促した」
2.否定的評価は「教材が多く,負荷が大きい」「医療分野以外の学生には導入講義が必要」「板書が読みにくい」等。
 講師としてのコメントは次のとおりです。
1.NUCBの学生のクラスにおける討議能力の高さについては高く評価し,学生の学習にも満足している。他方,個々の基礎的学習やリポート作成能力等,学生にはそれぞれの弱点があり,それを時間をかけて補強する必要があり,この授業をその一環として活用して欲しい。
2.ビジネススクールにおいてケースメソッドで学ぶ意義は,現実の複雑さや課題解決の困難を前提にした集団的な思考実験の場を設け,最小限の情報,分析方法を共有し,課題設定を行い,解決するために必要なそれぞれの「学習能力」の獲得をめざすことにあると考えます。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

姉川知史(Anegawa Tomofumi)
名古屋商科大学教授,慶應義塾大学非常勤講師
1977年東京大学経済学部卒業,1983年同経済学研究科単位取得退学(経営学),1991年 Yale University, Ph.D.(Economics),1983年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手,1991年 同助教授,1998-2020年 同教授。

主な論文
姉川知史「医薬品の価格規制と需要の再検討―循環器官用薬の実証研究」『医療と社会』2002. 11(3). 1-18.
姉川知史「医薬品企業のM&Aの費用と効果 ―日本における企業買収の可能性―」『医療と社会』2000. 10(1). 31-56.姉川知史「日本の医薬品産業:その成功と失敗」『医療と社会』2002. 12(2). 49-78.
Jakovljevic, M. B., Getzen, T. E., Torbica, A., & Anegawa, T. (2014). 10th World IHEA and ECHE joint congress: Health Economics in the Age of Longevity. Expert Review of Pharmacoeconomics & Outcomes Research, 2014 Dec;14(6):781-3. doi: 10.1586/14737167.2014.967220. Epub 2014 Oct 10.

その他の論文(査読なし)
姉川知史「日本の薬価基準制度-過去25年の制度と評価」55-76. 鴇田忠彦,近藤健文編『ヘルスリサーチの新展開』2003東洋経済新報社,東京
姉川知史,2007a「日本の医薬品産業」吉森賢編『世界の医薬品産業論』211-82,東京大学出版会,2007.3月30日
姉川知史,2007b「医薬品研究開発のセントラル・ドグマ-医薬品企業の機能と限界」佐藤光編著『バイオテクノロジーの経済倫理学』89-153,ナカニシヤ出版,2007.
姉川知史「グランド・デザイン策定の融合型教育―新しいマネジメント教育の方法論と評価―」研究ノート『慶應経営論集』2012, 29 (1).
姉川知史「東日本大震災に関する提言のありかたについて―グランド・デザイン策定の融合型教育フォーラムによる方法論評価―」,「研究ノート」,『慶應経営論集』2014,30 (1).

Anegawa Tomofumi, NUCB Professor, Keio University Instructor, Graduate School of Business Administration,

BA University of Tokyo, Faculty of Economics Economics, 1977, University of Tokyo, Graduate School of Economics, Withdrawal Having Completed Coursework,1983. Yale University, Ph.D. in Economics, 1991. Assistant Professor, 1983, Associate Professor 1991, 1998-2020 Professor of Keio University.

Refereed Articles

  • (2019) Problems of 2018 Nobel Economic Sciences Prize-Hirofumi Uzawa’s Contribution to Economic Growth Theory and Climate Change-. Keio Business Review 36(1): 03877086






ページ上部へ戻る