シラバス Syllabus

授業名 Strategies for Value Creation
Course Title Strategies for Value Creation
担当教員 Instructor Name 磯辺 剛彦(Takehiko Isobe)
コード Couse Code CLD103_G23N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format Campus & Live
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 発展科目300系 / Advanced & Specialized
学位 Degree Exed
開講情報 Terms / Location 2023 GSM Nagoya Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

ビジネスリーダーに不可欠な「環境変化における経営戦略の再構築」について考えます。
In this class, we will consider "reconstruction of management strategy in response to environmental changes," which is indispensable for business leaders.

授業の目的(意義) / Importance of this course

環境が変われば、それに合わせて経営戦略やビジネスモデルを変える必要があります。しかし、企業や業界には暗黙のルールや慣習があり、そのような「常識」や「あたりまえ」を打ち破ることは容易ではありません。本授業では、最初に「業界や自社の常識は思い込みであること」を共有して、次に「そのような思い込みを打破する戦略」について議論することを目的とします。
When the environment changes, organizations have to change the management strategy and business model accordingly. However, companies and industries have unspoken rules and practices that are not easy to break. The purpose of this class is to first share "the common sense of the industry and the company is misunderstanding" and then discuss "strategies to break misunderstandings".

到達目標 / Achievement Goal

企業は慣れ親しんだ「zone of comfort」に居座わり、新しいこと、特に自分たちの過去のやり方を否定することに対しては強く反発します。本授業では「zone of comfort」から「zone of opportunity」への思考変化を身につけます。

Companies stay in the familiar "zone of comfort" and strongly oppose new things, especially denying their past practices. In this class, you will learn how to change our thinking from "zone of comfort" to "zone of opportunity".

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

経営戦略論の重要なテーマである「ダイナミック・ケイパビリティ」「両利きの経営」「イノベーションのジレンマ」「再生戦略」などについて学びます。

You will learn about the recent important themes of business strategy theory, such as "dynamic capabilities," "ambidextrous management," "innovation dilemma," and "turn-around strategy."

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 20 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 80 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

ケース学習はプラモデルに似ています。ケースには多くの情報(パーツ)が記載さていますが、ケースには設計図がないので、自分自身の価値感や感性によってさまざまな形に組み立てることができます。加えて、ケースにはすべての情報が書かれていないので、組み立てに必要な情報を推測する必要があります。戦略の本質は、個々の情報ではなく、それらを組み合わせた形にあります。このことを意識してケースに取り組んでください。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Day1 AM
・業界の常識を考える(ポーターのポジショニング戦略):理容店は土日に利用して、馴染みの店に行き、いつのも理容師さんにカットしてもらう、時間は約2時間・・・これはあたりまえか?
Day1 PM
自社の常識を考える(バーニーの組織のケイパビリティ論):リンカーン・エレクトリック社は労使協調の企業文化により従業員のモチベーションを上げ、出来高払いの給与と企業業績への個人の貢献度によりボーナスを提供するという独自のやり方で成功していた。この会社のケイパビリティ(能力)とは何か? このやり方は他国でも通用するか?

●使用するケース
キュービーネット株式会社:お客様の時間を大切にする(KBS)
リンカーン・エレクトリック:海外進出に賭ける(HBS)

第2日(Day2)

Day2 AM
・バリューチェーンのイノベーション:アイリスオーヤマは業種業界という括りを捨て、業態に活路を求めた。メーカーベンダーというユニークなビジネスモデルを学ぶ。
Day2 PM
・高速サプライチェーン:ファストファッションのZARAは流行や売れ行きに迅速に対応できるシステムを採用している。女性が何を着たいと思うのかをシーズンの始まる前に予測するのではなく、何が売れていて、何が売れていないかを観察し、それに基づいて、生産・販売する製品を調整している。

●使用するケース
アイリスオーヤマ株式会社:ユーザーインの経営(KBS)
アイリスオーヤマ株式会社(C)(KBS)
ZARA:ファースト・ファッション(HBS)

第3日(Day3)

Day3 AM
・フリートマネジメント:これまで電動工具の製造メーカーだったヒルティは、顧客の求めに応じてフリートビジネス(レンタル)に参入すべきか悩んでいる。これまでの強みが生かせるか? 人や組織が新しいビジネスモデルに適応できるか? 
Day3 PM
・破壊的イノベーション:シリコン分野でトップメーカーだったダウコーニングは低コストのライバルに市場を奪われていた。ダウコーニングは低コスト事業である「ザイアメター」ブランドの立ち上げを決めが、果たしてザイアメターはライバル企業と差別化できるのだろうか?

●使用するケース
ヒルティ(A):フリートマネジメント?(HBS)
ザイアメター:破壊的イノベーションの過去と未来(IMD)

第4日(Day4)

Day4 AM
・アフターマーケットの戦略:コマツのアフターマーケット戦略(コムトラックス)を中心に議論する。「もの」売りの会社は、どうやって「こと」売りの会社に変身できたのだろうか?
Day4 PM
・企業再生:世界中の子どもたちから愛されているレゴは、1990年代になって急速に競争力を失っていた。プロ経営者の新しいCEOが再生戦略に取り組むが、2004年になって倒産の危機に直面してしまう。この段階で、どのようにすればレゴは以前のような輝きを取り戻せるのかを考える。

●使用するケース
コマツ 小松製作所:オールド・エコノミーからの変容(KBS)
レゴ:成長戦略に取り組む(KBS)

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 60 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 60 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

予習レポート:ケースの事前予習設問について自分の考えをまとめ、ケース使用日の授業開始前までに予習レポートをGoogle Classroomにて提出してください。セッションあたり2つの設問があります(1日4問)。ファイルはWordがpdf、書式は自由、1つの設問につきA4用紙1枚以内にまとめてください。必ず先頭ページには、学籍番号、氏名、ケース名を記入してください。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 配布資料

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

リチャード・ルメルト「良い戦略、悪い戦略」日本経済新聞出版
ジョアン・マグレッタ「マイケル・ポーターの競争戦略」早川書房
チャールズ・オライリー、マイケル・タッシュマン「両利きの経営」東洋経済新報社
クレイトン・クリステンセン「イノベーションのジレンマ」翔泳社

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

科目名に整合するように、いくつかのケースを入れ替えました

担当教員のプロフィール About the Instructor 

福岡県出身。1981年慶應義塾大学経済学部卒業。同年(株)井筒屋入社。91年経営学修士(慶應義塾大学)、96年経営学博士(同大学)。同年流通科学大学商学部助教授、99年教授。この間、1997-98年スタンフォード大学経営大学院客員研究員。2005年神戸大学経済経営研究所教授、2007年慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授。2023年慶應義塾大学名誉教授。同年名古屋商科大学大学院教授。2008年より一般財団法人・企業経営研究所(スルガ銀行グループ)理事長

Strategic Management Journal、Academy of Management Journal、Journal of International Business Studiesなどのトップジャーナルに論文多数。Asia Pacific Journal of ManagementのSenior Editor、Journal of International ManagementやManagement International ReviewのEditorial Boardを務める。起業活動の国際比較研究グループ「Global Entrepreneurship Monitor」の創立メンバー。2004年および2006年のAsia Academy of Management Conferenceにて最優秀論文賞を受賞

主要な著書に「トップシェア企業の革新的経営」白桃書房(中小企業研究奨励賞)、「シリコンバレー創世記」白桃書房、「起業と経済成長」慶應義塾大学出版会、「国境と企業」東洋経済新報社(国際ビジネス研究学会賞・義塾賞)、「世のため人のため、ひいては自分のための経営論」白桃書房など


Refereed Articles

  • (2023) Interview with executives of middle-sized companies: Management theory for society, for people, and for myself (2). Keio business forum
  • (2022) Interview with executives of middle-sized companies: Management theory for society, for people, and for myself. Keio business forum 38(1):






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