授業名 | Business Economics |
---|---|
Course Title | Business Economics |
担当教員 Instructor Name | 田村 正興(Masaoki Tamura) |
コード Couse Code | BIP206_G20T |
授業形態 Class Type | 講義 Regular course |
単位 Credits | 2 |
言語 Language | JP |
学位 Degree | MBA |
開講情報 Terms / Location | 2020 GSM Tokyo Fall |
授業の概要 Course Overview
Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement
授業の目的(意義) / Importance of this course
経済学にはビジネスに応用できる考え方(経済学的思考法)が多くあります。
本講義では、特に「価格」を巡ってさまざまなケースを取り上げます。理解しているようでしていない、また意外に思える効果が起こることが多い「価格」の有効な活用法を学びます。
まず、価格の付け方には、固定料金と従量料金を課す二部料金制や、同じモノ・サービスでも人によって提示する価格を変える価格差別などのさまざまな形態があります。これらはどのような場合に機能し、どのように活用できるでしょうか。また、値上げは時に消費者や取引相手の激しい反発(時に倫理的な反発)を受けます。どのような場合に反発を招き、どのようにすれば反発を避けることができるのでしょうか。消費者の行動と心理について学ぶことで、これらを理解し、プライシングの現場で実践することが可能です。最後に、罰金や賞与もまた行動に対する対価、価格と考えることができます。しかし、人を動かすためには単に賞与を増やせばよいという単純なものでもありません。どのような場合にどのような罰金・賞与設計が有効なのか、具体的な事例を通じて議論します。これについても、経済学の応用として理解し、受講生がビジネスの現場で人を動かす際に応用できることを目指します。
本講義の特徴は、事前配布されたケースとアサインメントだけではなく、その応用として当日に出題される追加ケースを重視することです。また、新しい価格戦略を考えるグループワークも行います。
教科書は3日目、4日目に使いますので、ご用意下さい。教科書を全て読む必要は全くありません。アサインメントに、教科書のどこを読むべきなのか指示があります。なお、数式やグラフは飛ばして読んで下さい。
本講義では、特に「価格」を巡ってさまざまなケースを取り上げます。理解しているようでしていない、また意外に思える効果が起こることが多い「価格」の有効な活用法を学びます。
まず、価格の付け方には、固定料金と従量料金を課す二部料金制や、同じモノ・サービスでも人によって提示する価格を変える価格差別などのさまざまな形態があります。これらはどのような場合に機能し、どのように活用できるでしょうか。また、値上げは時に消費者や取引相手の激しい反発(時に倫理的な反発)を受けます。どのような場合に反発を招き、どのようにすれば反発を避けることができるのでしょうか。消費者の行動と心理について学ぶことで、これらを理解し、プライシングの現場で実践することが可能です。最後に、罰金や賞与もまた行動に対する対価、価格と考えることができます。しかし、人を動かすためには単に賞与を増やせばよいという単純なものでもありません。どのような場合にどのような罰金・賞与設計が有効なのか、具体的な事例を通じて議論します。これについても、経済学の応用として理解し、受講生がビジネスの現場で人を動かす際に応用できることを目指します。
本講義の特徴は、事前配布されたケースとアサインメントだけではなく、その応用として当日に出題される追加ケースを重視することです。また、新しい価格戦略を考えるグループワークも行います。
教科書は3日目、4日目に使いますので、ご用意下さい。教科書を全て読む必要は全くありません。アサインメントに、教科書のどこを読むべきなのか指示があります。なお、数式やグラフは飛ばして読んで下さい。
Economics thinkings can be applied to business.
This course uses cases especially on "price" and "incentives."
Pricing include two-part tariff where fixed and variable cost are imposed, and price discriminate where price varies according to each consumer. In addition, consumers react to price change in unforeseen manner through psychological effects. Participants can apply this thinking to business.
Next, to motivate people, it is often more effective to give incentives than to promote consciousness changes. We discuss what kinds of incentives are effective in what kinds of situations. Participants can apply this thinking to motivating people.
One characteristic of this course is to put emphasis not only on cases distributed beforehand, but also on cases distributed additionally on the class day. Participants are required to think about essence and applications of the cases.
This course uses cases especially on "price" and "incentives."
Pricing include two-part tariff where fixed and variable cost are imposed, and price discriminate where price varies according to each consumer. In addition, consumers react to price change in unforeseen manner through psychological effects. Participants can apply this thinking to business.
Next, to motivate people, it is often more effective to give incentives than to promote consciousness changes. We discuss what kinds of incentives are effective in what kinds of situations. Participants can apply this thinking to motivating people.
One characteristic of this course is to put emphasis not only on cases distributed beforehand, but also on cases distributed additionally on the class day. Participants are required to think about essence and applications of the cases.
到達目標 / Achievement Goal
本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals
*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。
LG1 Critical Thinking
LG3 Ethical Decision Making
LG3 Ethical Decision Making
受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes
経済学的思考法
プライシング
インセンティブ設計
プライシング
インセンティブ設計
Economics Thinking
Pricing
Incentive Design
Pricing
Incentive Design
教育手法 Teaching Method
教育手法 Teaching Method | % of Course Time | |
---|---|---|
インプット型 Traditional | 15 % | |
参加者中心型 Participant-Centered Learning | ケースメソッド Case Method | 85 % |
フィールドメソッド Field Method | 0 % | 合計 Total | 100 % |
事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods
講義内での挙手発言・予習レポート・授業内でのシミュレーションに対して成績評価をします。経済学の前提知識は特に必要ありません。
授業スケジュール Course Schedule
第1日(Day1)
価格の重要性費用の捉え方(機会費用・埋没費用)
価格付けの基礎
●使用するケース
Unhaggle: Putting Customers in the Driver's SeatCatawba Industrial Company
メタバイカル
第2日(Day2)
値上げの難しさ価格差別 〜同じ商品を異なる価格で売る〜
●使用するケース
エピペンの価格設定: 痛みを伴う決断Coca-Cola's New Vending Machine (A): Pricing To Capture Value, or Not?
第3日(Day3)
価格差別 〜同じ商品を異なる価格で売る〜オークション
●使用するケース
Online Auction Marketsプライスライン・ドット・コム:自分で価格を指定しよう
第4日(Day4)
行動経済学とは価格と行動経済学
●使用するケース
行動インサイトチーム(A): 行動経済学を政策に活かす行動インサイトチーム(B): 行動経済学を政策に活かす
Making stickK stick
成績評価方法 Evaluation Criteria
*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment | Weights |
---|---|
コールドコール Cold Call | 0 % |
授業内での挙手発言 Class Contribution | 65 % |
クラス貢献度合計 Class Contribution Total | 65 % |
予習レポート Preparation Report | 15 % |
小テスト Quizzes / Tests | 0 % |
シミュレーション成績 Simulation | 20 % |
ケース試験 Case Exam | 0 % |
最終レポート Final Report | 0 % |
期末試験 Final Exam | 0 % |
参加者による相互評価 Peer Assessment | 0 % |
合計 Total | 100 % |
評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria
予習レポートにはその日のアサインメントへの回答を記載して提出して下さい。予習レポートは毎日授業開始(9:20)までにGoogle Classroomに提出して下さい。教科書 Textbook
- スティーブン・レヴィットほか「レヴィット ミクロ経済学 発展編」東洋経済新報社(2018)978-4492315002
- 大林厚臣「ビジネス経済学」ダイヤモンド社(2019)978-4-478-10748-5
参考文献・資料 Additional Readings and Resource
教科書1「レヴィット ミクロ経済学 発展編」は必読の箇所がありますが、教科書全体からすればごく一部分です。教科書をはじめから細かく読んでもあまり実りがありませんので、お止め下さい。
教科書2「ビジネス経済学」に関しては、内容に沿って進行するわけではありませんので、教科書は必読ではありません。あくまで参考文献の一つとして、より広範な学習のためにお使い下さい。
他の参考文献:
スティーブン・レヴィットほか レヴィット ミクロ経済学 基礎編 東洋経済新報社 2018年
ダン・アリエリー 予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 早川書房 2013年
イアン・エアーズ ヤル気の科学 文藝春秋 2012年
大竹文雄 経済学的思考のセンス-お金がない人を助けるには 中公新書 2005年
教科書2「ビジネス経済学」に関しては、内容に沿って進行するわけではありませんので、教科書は必読ではありません。あくまで参考文献の一つとして、より広範な学習のためにお使い下さい。
他の参考文献:
スティーブン・レヴィットほか レヴィット ミクロ経済学 基礎編 東洋経済新報社 2018年
ダン・アリエリー 予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 早川書房 2013年
イアン・エアーズ ヤル気の科学 文藝春秋 2012年
大竹文雄 経済学的思考のセンス-お金がない人を助けるには 中公新書 2005年
授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation
授業調査では、「これまで価格について自分は知っているつもりだったが、あまり理解できていなかったことが分かった」というようなコメントが多くあり、あえてトピックを『価格』に絞りこんだことについてご好評頂いていました。この授業ではリーダーシップや経営についての包括的で広い議論をすることはなく、価格についてといういわば狭い議論を行いますが、それ故に密度の濃い議論にするように心がけています。
担当教員のプロフィール About the Instructor
京都大学経済学部を卒業後、東京大学経済学研究科修士課程およびLondon School of Economics and Political Science MSc Economicsを修了し、東京大学・経済学研究科博士課程を修了、博士(経済学)の学位を取得。一橋大学イノベーション研究センター特任助手、京都大学薬学研究科特定助教などを経て2017年4月より現職。現在、日本政策投資銀行設備投資研究所、客員研究員も務める。
研究分野:
経済学、医療経済学、産業組織論
研究分野:
経済学、医療経済学、産業組織論
Masaoki Tamura received a Bachelor’s degree in economics at Kyoto University, Master’s degree in Economics at the University of Tokyo and London School of Economics and Political Science, and a Ph.D. in economics at the University of Tokyo. He worked for Hitotsubashi University and Kyoto University before joining Nagoya University of Commerce and Business. He is also a visiting scholar of the Research Institute of Capital Formation, Development Bank of Japan.
Fields:
Economics, Health Economics, Industrial Organization
Refereed Articles
- (2022) Effects of tourism promotion on COVID-19 spread: The case of the “Go To Travel” campaign in Japan. Journal of Transport and Health 26
- (2021) The Global Financial Crisis and Healthcare Inequality in Japan. Social Indicators Research
- (2019) On Otaki’s Keynesian Macroeconomic Model. Theoretical Economics Letters 9(1):
- (2018) A Signaling Explanation for Political Parties and Advertisements. Theoretical Economics Letters Vol. 8(No. 2): 2162-2078
- (2017) Prize Promotions as Costless Commitments. Managerial and Decision Economics 38(4):