シラバス Syllabus

授業名 Entrepreneurship & Family Business
Course Title Entrepreneurship & Family Business
担当教員 Instructor Name 角谷 直樹(Naoki Kadotani)
コード Couse Code BIP203_G20N
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category
学位 Degree MBA
開講情報 Terms / Location 2020 GSM Nagoya Fall

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

授業の目的(意義) / Importance of this course

ファミリービジネスの研究の歴史はまだ浅く、ビジネススクールにおいても取り扱われることは多くありません。また大韓航空の「ナッツ・リターン」、大塚家具の「委任状争奪戦」、大王製紙の「カジノ賭博」など、お家騒動や企業の私物化といった負の側面がクローズアップされ、日本におけるファミリービジネスに対する評価は決して高いとはいえません。しかしながら、日本の企業のうち約95%以上がファミリービジネスであるうえ、近年ファミリービジネスは非ファミリービジネスよりも業績が優れ、永続性も高いという報告が複数発表されていることから、ファミリービジネスの研究に注目が集まっています。

本講義では、企業家精神溢れるファミリービジネス経営者が変革を起こす複数のケースを用い、ファミリービジネスとは何か、ファミリービジネスが永続するためにはどのように経営されていくべきかについて、議論を通じ学びを深めていきます。

また、『ファミリービジネスの経営はどうあるべきか?』という問いは、我々を『会社は誰のものか?』『経営学は科学に近づけるのか?』という根源的・哲学的な問いへと導いていきます。
例えば大株主や代表取締役に認められる法的権限は強力であり、さらに日本では『創業家』という事実のみによって特別視される文化的土壌があります。それでは、創業家出身である大株主によって経営されるファミリービジネスは『彼/彼女のものだ』と言い切れるでしょうか。もし”そうでない”とすれば、その理由は何でしょう。また、それほど権限を有する代表取締役が存在するのであれば、ファミリービジネスの良し悪しを突き詰めて考えると『経営者次第』となってしまい、その経営の成功と失敗は経営者個人の属人的な能力や資質に還元されてしまうかもしれません。仮にそうであるのなら、個々のケースから私たちは自身のビジネスに適用可能な(科学のように普遍的な)原理・原則を見出すことはできるのでしょうか。
本講義ではファミリービジネスならではの課題を分析・整理しつつ、ファミリービジネス特有の経営とその原理、経営者が有する自由と責任について学びを深めます。また非ファミリービジネスと対比させながら、経営学的に”正しい意思決定”が存在しうるのか考えていきたいと思っています。

当講義はファミリービジネスとは関係のない学生も受講対象としています。ファミリービジネスを深く理解するためには財務、会計、戦略、企業統治などの総合的な経営学の知識が求められることから、これらについての学びも深まります。ファミリービジネスの世界を知ることで、MBAのケースとして取り上げられることの多い、非ファミリービジネスの経営・所有・倫理についてより深く考える機会を提供します。
さらに本講義では知識を身につけるだけでなく、上述のような哲学的問いに対する答えを求めて議論し、それまで当たり前だと思っていた前提を根底から疑う機会を提供したいと思っています。そこでわき上がる不安が、修了してもなお謙虚に学び続ける姿勢を生むことに繋がっていくと信じています。
 
講師は2016年、実父が興したファミリービジネスを事業承継し、現在二代目としてファミリービジネスの強みを活かした会社運営を目指し日々経営にあたっています。また、経営の傍ら事業承継を含めたファミリービジネス、経営者が”持つべき”倫理観についても研究を行っています。本講義は講師の経営の実体験を踏まえ、以下のような特徴を持たせた議論を展開していきます。

講義の特徴
◆ ケースメソッドによる学びを通じ、 ファミリービジネスに関する基礎理論だけでなく、ファミリービジネスとは何か、同族経営はどうあるべきかを深く追求していくことを目的とします。
◆ 経営者の自由と責任、その性質と範囲、会社は誰のものかなど、答えがないと思われるような問いについても議論を通じ、各自の理解を深めていきます。
◆ 経済合理性を超え、私たちが”善き生”を生きるために必要な事とは何かについても目を向けていきます(善き生≒自他の幸福こそビジネスの目的であり、私たちが働くインセンティブだと考えれば、経営学との繋がりはご理解いただけると思います)。
◆ 講義は最小限にとどめ、主にクラス討議の中から共に学んでいくことを目指します。

受講対象者
■ ファミリービジネスの経営者、後継者候補、従業員
■ ファミリービジネスに興味のある方
■ 承継を計画している経営者
■ 経営学について深く考えてみたいと思っている方
■ その他、同族経営、所有と経営、企業倫理、企業変革、第二創業に興味がある方
This course is intended for students studying the business administration of family business.
Research on family businesses is relatively new, and there are few business schools that cover it. Cases such as Korean Air's 'nut rage incident', Otsuka Kagu's 'proxy fight', and Daio Paper Corporation's 'gambling scandal' brought to light negative aspects such as family squabbles and misappropriation, so the general opinion of family businesses in Japan cannot be said to be high. But various studies undertaken in recent years have shown that family businesses perform better than non-family businesses and are longer lasting. It has also been reported that roughly 95 percent of businesses in Japan are family owned, and there is greater focus on family business research. In this course, we will cover multiple cases to explore the strengths, weaknesses, and background behind family businesses from three viewpoints—family, ownership, and business. At the same time, we will study the theories behind family businesses, analyze the unique issues they face, and compare them to non-family businesses to deepen each student's understanding. The instructor is taking over and managing a family business as its second-generation owner, and has also experienced the advantages and disadvantages of family businesses in his previous work at a major food corporation.
This course will build on the instructor's experiences to drive real-world discussions with the following approaches:

1. Through use of the case method, we will aim to build the analytical and decision-making skills necessary to solve real problems rather than just fundamental knowledge and theory.
2. Lectures will be kept to a minimum, with a focus on group discussion and class debates so we can all learn together.
3. We will study the fundamentals of family businesses, deepen our knowledge, and analyze them.
4. We will explore how best to address issues commonly seen in family businesses, such as irrationality, dependence on individual abilities, and a lack of openness.

到達目標 / Achievement Goal


本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG6 Innovative Leadership (MBA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

・ファミリービジネスに関するフレームワーク、理論
・所有と経営の一致/分離、コーポレートガバナンス
・企業倫理/道徳原理
・中小零細企業の経営

・Understand theory and the management framework about family business.
・Acquire knowledge about the corporate governance and the business ethics on listed family businesses small and medium‐sized enterprises.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 20 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 80 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

<講義の運営について>
本講義は、ケースメソッドにより実施します。
企業で実際に起きた経営事例等を受講生が自らの視点で追体験することを通じて、課題解決力・課題発見力を培う教育手法です。受講者を主体とした学修体験「Participant Centered Learning」により、知識の修得に加え受講生の実務家としての世界観・視野を広げることを目標とします。

<学習で使用する教材について>
【ケース】
各Sessionで提示されたケースを熟読してください。1ケースあたり3時間以上かけて、最低3回は読みレポートを作成してください。時間をかけて予習し、背景を深く理解しておくほど講義当日の学習効果と受講満足度は高まります。

【その他の必読教材(事務局配布分)】
当コースではHBS、NUCBのケースだけでなく、ファミリービジネスに起こった出来事を取り上げているニュース記事や資料も用います。身近な話題からファミリービジネスを考えていきたいと思います。ケースと同様に事前配布しますので、予習に利用してください。

【教科書】
下記『教科書』1~5に示した書籍は購入し、講義準備に活用ください。
『ファミリービジネス MBA講座』は概論編第I部第1章を一読ください。一部の理論やフレームワークを講義で説明・使用します。
『「理」と「情」の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』は、ケース同様に用いますので、しっかり熟読しアサイメントをこなしてください。書籍はページ数が多いため受講決定後なるべくはやく購入し、読みはじめることをお勧めします。
『この1冊ですべてわかるコーポレートガバナンスの基本』はコーポレートガバナンスに関する歴史的経緯やその基本が平易に記載されており、Session 3~4の参考になります。アサイメントや事前準備に有用だと思われますので教科書として指定しました。
『ハーバードのケースで学ぶ企業倫理―組織の誠実さを求めて』はマリオットのケースの理解と、同セッションでの論点理解のために指定しています。
『現代社会の倫理を考える〈3〉ビジネスの倫理学』は道徳原理を学ぶために使用します。Day3の予習やアサインメントで参考にしてください。

【参考教材(Google Classroomアップロード分)】
ケースを深く理解していただくために、講義で取り上げるファミリービジネスに関する動画や資料を開講2週間前までにGoogle Classroomにアップロードします。議論の流れによっては講義中にも流すことがあります。あくまで参考資料ですが、林原や大塚家具の動画は、両社を扱った書籍(教科書)を読む前に一度動画を見ることで、内容の理解が早まると思います。

【参考文献・資料】
ケースとして用いる教材をより深く理解するための参考文献・資料を『参考文献・資料』の欄に示します。受講後により深く学びたい方、講義前に時間に余裕がある方のために紹介します。

【レポート】
■事前レポート(アサイメント):各セッション、指定した2問についてレポートをGoogle Classroomを通じて、指定する期限までに提出してください。問いは開講2週間前に開示されます。
■形式:レポートはPowerPointなどプレゼンテーションソフトでの作成を推奨します。PowerPoint等で明瞭に図示することは、①プレゼン能力の向上に繋がる事、②図や表を作成していく過程で本質を文字で短く表記したり、考慮事項の相互関係を表現する能力が鍛えられることが主な理由です。Wordでの作成も問題ありませんが、意味のある文章を分かりやすく書くよう努力してください。MECEを心がけてください(参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/MECE)。『長ければ良い』というわけではありません。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

◆Session 1 Day1/ First Half <10:00-13:10>

【テーマ】ファミリービジネスの永続
【アウトライン】中国地方の水飴メーカーであった(株)林原の4代目社長、林原健はそれまでの事業を大転換させ同社をデンプン化学メーカーに変革していった。大手企業が実現できなかったトレハロースやインターフェロンの量産化など、次々とイノベーションを起こしていき『同族企業の雄』として持ち上げられたが、2011年、会社更生法の適用を申請し経営破綻する。(株)林原はなぜ成功し、なぜ破綻したのだろうか。それらの原因を探っていくことでファミリービジネスの強みや課題について理解を深めていく。
【教科書】
『ファミリービジネス:MBA講座』 明治大学ビジネススクール(編)ISBN13:978-4495390297(第I部第1章)
【ニュース・資料】
S1-1:林原 2011.2.14(日経ビジネス)
S1-2:林原 1987.8.31(日経ビジネス)
S1-3:林原 2010.5.29(週刊東洋経済)


◆Session 2 Day1/ Second Half <14:00-16:40>

【テーマ】ファミリービジネスの経営戦略と特徴
【アウトライン】伝統的な小規模証券会社であった松井証券に社長の娘婿として入社した松井道夫は、同社を日本のオンライン証券取引業界を代表する企業へと変革していった。どのようにしてビジネスモデルを再構築し、企業文化を変革していったのか。なぜそれが可能だったのか。松井証券によるイノベーション成功の裏にはファミリービジネス特有の強みが見え隠れする。Session 1でとりあげる(株)林原のイノベーションと対比させながら松井証券の変革の経過を分析していくことで、ファミリービジネスの強さとその源泉について考えていく。
【ニュース・資料】
S2-1:松井道夫 証券業界の革命児(日経ビジネス)
S2-2:松井証券2001年度有価証券報告書(P.4 沿革、P.15 大株主の状況のみ)

●使用するケース
Session 1:林原家 ー砂上の楼閣ー  NUCB
Session 2:松井証券の変革 HBS

第2日(Day2)

● Session 3 Day2/ First Half <10:00-13:00>

【テーマ】ファミリービジネスのコーポレートガバナンス(前半)
【アウトライン】ワイドショーなどで大きく取り上げられた大塚家具の「親子喧嘩」。最終的には娘の久美子氏側が勝利という結果で終わったが、なぜ勝久氏は株主の支持を得られなかったのだろうか?上場したファミリービジネスはどのように変わっていくべきなのか?上場することによって起こる創業家の株式分散と株主からの要求を検証していくことで、上場ファミリービジネスと市場とのかかわり方について考えていく。
【教科書】
『「理」と「情」の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』 磯山友幸(著)ISBN-13: 978-4822235659
*本書籍は単行本が入手困難になっております。単行本が手に入らない方はKindle版の購入をお願い致します(PCやスマホでも閲覧可能です)。
『この1冊ですべてわかるコーポレートガバナンスの基本』 手塚 貞治 ISBN13:978-4534054708
【ニュース・資料】
S3-1:大塚家具 中期経営計画 2015.2.25 
S3-2:大塚家具 ISSが会社側提案を支持

● Session 4 Day2/ Second Half <13:50-16:40>

【テーマ】ファミリービジネスのコーポレートガバナンス(後半)
【アウトライン】創業家出身の社長が経営するスミダコーポレーションは日本の商法改正に伴い、委員会制度(現在では『指名委員会等設置会社』に該当する制度)によるコーポレートガバナンス体制を日本企業として初めて採用した。この変更はなぜ行われたのか。これによりガバナンスはどう変化し、何が課題として残っているのか。コーポレートガバナンス体制を変革してきた同社の経緯と現状を検証することを通じ、コーポレートガバナンスの基礎知識を身につけるとともに、ファミリービジネスにおける企業統治の在り方について議論していく。
【教科書】
『この1冊ですべてわかるコーポレートガバナンスの基本』 手塚 貞治 ISBN13:978-4534054708

●使用するケース
Session 4:スミダコーポレーションのガバナンス HBS

第3日(Day3)

◆Session 5 Day3/ First Half <10:00-13:00>

【テーマ】ファミリービジネスにおける経営責任と倫理
【アウトライン】マリオット・コーポレーション(MC)の創業家出身であるマリオットJr.取締役会会長兼社長は、取締役会に会社の事業再編を推薦するかどうかを決めなければならない。彼が検討している事業再編とは、MCをふたつの別々な会社に分割するというものであった。新しい会社のひとつは、収益性のある管理事業のほとんどを持つことになる一方、他方の会社は長期負債の大部分とホテル資産の所有権を保持する。マリオットJr.はこの再編を進めるべきなのだろうか。ファミリービジネスが直面するステークホルダーとの関わりや経営者の責任を議論し、ファミリービジネスの永続性に必要な倫理観について考えていく。
【教科書】
『ハーバードのケースで学ぶ企業倫理―組織の誠実さを求めて』リン・シャープ・ペイン ISBN13:978-4766407808 (特に第3部)


◆Session 6 Day3/ Second Half <13:40-16:40>

【テーマ】道徳原理と意思決定の正しさ
【アウトライン】昭和シェル石油との合併に異を唱えた出光興産の創業家。創業家出身の取締役が不在となっている企業の経営に、創業家はどこまで意見することが適切なのだろうか。また経営陣は創業家とどのように関係していくことが適切なのであろうか。創業家が起こした行動の裏にある目的や思い、合併を目指す出光興産の経営陣がとる対抗手段を検証し、ファミリービジネス経営と創業家の健全な関係性について理解を深めるとともに、『責任ある意思決定』とはどのようなものであるのか議論していく。
【教科書】
『現代社会の倫理を考える〈3〉ビジネスの倫理学』 梅津 光弘 ISBN-13: 978-4621049921
【ニュース・資料】
出光興産2016 海賊達の漂流(A), (B)の各文末にある参考文献(任意)

●使用するケース
Session 5:マリオット・コーポレーション(A),(B) HBS *(B)は講義中に配布
Session 6:出光興産2016 海賊達の漂流(A),(B) NUCB

第4日(Day4)

◆Session 7 Day4/ First Half <10:00-13:00>

【テーマ】創業家の事業承継と連帯
【アウトライン】美少年グループは、江戸時代に創業された酒造メーカーを中核とした多角的な経営により事業を発展させてきた。現社長の直明は経営再建の一方で、長男、次男、三男にグループ内の3つの事業をそれぞれ承継させるべく準備を進めていた。そのような中、グループの存続を脅かすような大事件が起こる。地元に根付いた伝統あるファミリービジネスの経営者は何を重視し、意思決定を行うべきなのだろうか。NUCB修了生の体験談から制作されたケースを基に議論していく。


◆Session 8 Day4/ Second Half <13:40-16:40>

【テーマ】後継者の道徳的責任と事業承継
【アウトライン】ファミリービジネスはなぜファミリーが承継するのだろうか。最後のセッションでは講師が作成したケースを用い、創業家に生まれた事のみで生じる責任というものがあるのか、あるとすればどこから導出されるのか議論を通じて各人の思考を深めていく。


●使用するケース
Session 7:美少年グループ(A),(B) NUCB *(B)は講義中に配布
Session 8:株式会社角屋食品2014 NUCB

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 40 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 40 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 20 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

■成績評価の配点は上記の通りです。講義への貢献(講義内での挙手発言)の比重が60%を占めており、発言の評価は量だけでなく質も問われます。受講生全員の講義への参加を目指し、講義を運営していきます。

■客観的な評価に近づけるため、講義貢献の一部(全体の20%)は受講生同士の相互評価を取り入れています。自分の気づきや創発的発想に寄与してくれた受講生を3名、各セッション毎に記録してください。用紙はDay1、Day3にお渡しますので、それぞれDay2、Day4終了時に提出してください。

■また本講義はレポートの比重も講義貢献同様、高くなっています。
事前レポート(アサイメント):各セッションごとに指定した2問について、レポートを指定時刻前までにGoogle Classroomを通じて提出してください(指定時刻はアサイメントに記載しています)。配点は各5点、合計80点満点です(合計点数を2で割り、40点満点とします)。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 明治大学ビジネススクール「ファミリービジネス:MBA講座」同文舘出版(2019)978-4495390297
  • 磯山友幸「「理」と「情」の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス」日経BP社(2016)978-4822235659
  • 手塚 貞治 「この1冊ですべてわかるコーポレートガバナンスの基本」日本実業出版社(2017)978-4534054708
  • 梅津 光弘「現代社会の倫理を考える〈3〉ビジネスの倫理学」丸善(2002)978-4621049921
  • リン・シャープ・ペイン「ハーバードのケースで学ぶ企業倫理―組織の誠実さを求めて」慶應義塾大学出版会(1999)978-4766407808

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

(講義で取り上げる企業について詳しく知りたい方)
(株)林原『林原家 同族経営への警鐘』林原 健(著)ISBN-13: 978-4822263997(使用するケースの基となった書籍)
(株)林原『破綻──バイオ企業・林原の真実』 林原 靖 ワック (2013) ISBN-13:978-4898314098
(株)林原『背信 銀行・弁護士の黒い画策』  林原 靖 ワック (2016) ISBN-13:978-4898314456
松井証券 (株) 『おやんなさいよでもつまんないよ』 松井道夫  日本短波放送  (2001) ISBN-13: 978-4931367982
出光興産 (株) 『海賊と呼ばれた男(上)』 百田尚樹 講談社文庫 (2014)ISBN-13:978-4062778299
出光興産 (株) 『海賊と呼ばれた男(下)』 百田尚樹 講談社文庫 (2014)ISBN-13:978-4062778305
出光興産 (株) 『海賊と呼ばれた男(DVD)』 監督: 山崎貴 Sony Music Marketing inc. (2017) JAN:4517331038313

(ファミリービジネスをさらに深く学びたい方)
・『企業統治』吉村、田中、伊藤、稲葉 中央経済社 (2017) ISBN-13: 978-4502225116 【Google Classroomに一部複写をアップロードしています】
・『オーナー社長 最強烈伝』 週刊ダイヤモンド 2018年 4/14 号 [雑誌] (2018) ASIN: B07CCZXJ1X
・『同族企業はなぜ強いのか』 ダニー・ミラー、イザベル・ル・ブルトン=ミラー Harvard business school press (2005) ISBN-13: 978-4270000724 
・『ファミリー企業の経営学』 倉科 敏材 東洋経済新報社 (2003) ISBN-13: 978-4492521380
・『創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか』 田久保 善彦  グロービス経営大学院 (2014) ISBN-13: 978-4492533512
・『成功しているファミリービジネスは、何をどう変えているのか?』 矢部 謙介、小河 光生  同文舘出版  (2015) ISBN-13: 978-4495385019

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

高い評価を頂いていますが、これまでの講義スタイルをベースに毎回改善を加えた講義を構成しています。以下、前回からの大きな変更点です。

改善点1:Session 1では書籍『林原家 同族経営への警鐘』林原 健(著)ISBN-13: 978-4822263997 を使用していましたが、書籍一冊は負担が大きいこと、不要な情報も含まれていることから講師が作成したケースを使用します。事実関係は同書籍に拠ります。

改善点2:Session 4のマリオットコーポレーションのケースは、『ハーバードのケースで学ぶ企業倫理―組織の誠実さを求めて』の第3部にも収められており、ケースを深く理解できるよう同書を教科書に指定させて頂きました。ケースのversionや翻訳者が異なりますが、こちらも参考にするとより理解できるかと思います。また第3部の導入部分(P.193 ~P.206)に記載されている倫理的視点は、本講義での論点とも重なりますので、アサイメントや当日の議論の参考になるかと思います。ちなみに同書の著者は、ケース『マリオットコーポレーション』の作者の一人でもある、ハーバード大学のリン・シャープ・ペイン教授です。

改善点3:長らくメインの教科書として全セッションの参考としていた『ファミリービジネス 知られざる実力と可能性(著)後藤 俊夫 ISBN13:978-4561235835』が入手困難となったため、使用を中止し各セッションに関連する書籍を個別に指定しました。
*『「理」と「情」の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』も単行本が入手困難になっているようです。単行本が手に入らない方は、Kindle版購入をお願い致します。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

株式会社角屋食品代表取締役、農学博士(Ph.D.)、経営学修士(MBA)。
1979年鳥取県境港市生まれ。2005年神戸大学大学院博士課程早期修了。1年間の大学勤務を経て、味の素株式会社に入社。2015年名古屋商科大学ビジネススクール早期修了(2014年度成績優良学生、Case Award受賞)。同年、味の素を退職し、角屋食品に入社。翌年より代表取締役を務める。ファミリービジネス、中小企業経営だけでなく企業倫理、道徳哲学、経営哲学に関心を持ち研究を進める。2016年より名古屋商科大学ビジネススクール客員講師を務める(2019年度、2020年度、2021年度、2022年度Teaching Award受賞)。鳥取県補助金等審査会委員(2021年度、2022年度、2023年度)、山陰放送番組審議会委員(2023年度)。

【学位】
農学博士(神戸大学大学院 自然科学研究科)
経営学修士(名古屋商科大学ビジネススクール)
工学準学士(米子工業高等専門学校)

【所属学会】
事業承継学会
ファミリービジネス学会

Dr. Naoki Kadotani received his Ph. D. in Graduate school of science and technology at Kobe University, obtained his MBA from Nagoya University of Commerce & Business. He worked as a post-doctoral fellow at Kobe University, and as a researcher at Ajinomoto Co., Inc.. He is the representative director and the owner of Kadoya Foods Co., Ltd. which taken over from his father, the founder.

(実務経験 Work experience)

【職歴】
2005-2006 神戸大学博士研究員(日本学術振興会特別研究員)
2006-2015 味の素株式会社
2015-2016 株式会社角屋食品 常務取締役
2016- 名古屋商科大学大学院 客員講師(現任)
2016- 株式会社角屋食品 代表取締役(現任)

Refereed Articles

  • (2016) Exogenous proteinogenic amino acids induce systemic resistance in rice. BMC Plant Biology 16(60): 1471-2229






ページ上部へ戻る