シラバス Syllabus

授業名 Entrepreneur & Strategy
Course Title Entrepreneur & Strategy
担当教員 Instructor Name 長沢 雄次(Yuji Nagasawa)
コード Couse Code BIP107_G22T
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 基礎科目100系 / Basic
学位 Degree MBA
開講情報 Terms / Location 2022 GSM Tokyo Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

本コースは、本校のミッションである:
The School’s mission is to develop leaders who, through a ‘Frontier Spirit’, are equipped to succeed in the globalized business reality. These leaders will have the ability to bridge the gap between New Asia and the rest of the world, and to bring innovation and high ethical standards to their management practices.
を達成する目的で設計されています。
This course is designed to achieve the mission of NUCB Business School:
“The School’s mission is to develop leaders who, through a ‘Frontier Spirit’, are equipped to succeed in the globalized business reality. These leaders will have the ability to bridge the gap between New Asia and the rest of the world, and to bring innovation and high ethical standards to their management practices.”

授業の目的(意義) / Importance of this course

本コースは起業家の視点から「戦略の本質」を追究します。更にクラス討議中心のハーバード流講義を通じた学びのプロセスと疑似経験によって、実践的な戦略的思考・実行能力を身に付ける事を目的にしています。
 戦略には様々な定義がありますが、「戦略=競争に勝つこと」と定義します。競争に勝つ為には戦場(市場)を知り、敵(競合)を知り、己の力(自社)を知り、その上で適切な作戦(戦略)を立て戦い始め(実行)します。この一連のアクションをサポートするのが戦略の理論・手法です。
 起業家とその戦略は、取り巻く内的・外的環境の急変が日常茶飯事で日々重要な意思決定に迫られます。その意思決定は、会社の存亡をいつも賭けているという意味での緊迫性と、会社の足元がいつも不安定という不確定性と、使用できるリソースが常に枯渇しているという制約性、という3つの特徴があります。このような戦略ダイナミズムをケースディスカッションを通じて追体験して、「戦略の本質」に一緒に迫っていきます。
Through this course students can reach the nature of strategy from the viewpoint of entrepreneurs. In addition, using intensive class discussion based on Harvard method, students can acquire practical strategic thinking and execution capability through learning process and experience in the class.
 While strategy is defined by several ways, I will define it as ‘Strategy means To Win Competition’. If you want to win, you need to know battle field (Market), and enemy (Competitor) and own capability (Company) at first. Following these, you will develop operation (Strategy) and start your war (Implementation). Various theories and methodologies exist for that purpose.
 For entrepreneurs and their strategies, they are obliged to face dairy important decision making opportunities under dynamically changing internal and external environment. Their decision is characterized by 3 major issues;
1. The decision is always betting the company’s existence
2. The company is always under instable condition
3. The resources which the company can use are always largely limited
Students can experience such strategic dynamism through case discussion, and can reach to true nature of the strategy.

到達目標 / Achievement Goal

LG1:Critical Thinking
LG2:Diversity Awareness
LG3:Ethics Decision Making
LG4:Effective Communication
LG5:Executive Leadership
LG6:Innovative Leadership
LG7:Global Perspective
本コースの学修目標は、上記の全てです。

LG1:Critical Thinking
LG2:Diversity Awareness
LG3:Ethics Decision Making
LG4:Effective Communication
LG5:Executive Leadership
LG6:Innovative Leadership
LG7:Global Perspective

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG1 Critical Thinking
LG2 Diversity Awareness
LG3 Ethical Decision Making
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)
LG7 Global Perspective (GLP)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

本コースは二つの軸から設計されています。一つ目は戦略軸です。戦略立案・実行に於いての重要な課題を様々な角度から掘り下げ、その成功に必要なノウハウとマインドを学びます。二つ目の軸は起業家軸です。本コースでは13人の起業家が登場します。それぞれの起業とその後の成長をつぶさに見、かつ議論することによって、受講生がビジネスリーダーとして身に付けるべき資質を啓発します。

This course is designed by two axes. The first is strategy axis. Students face important issues in strategy development and execution. Students analyze them from various points of view and gain know-how and mind to solve them. The second is entrepreneur axis. At this course, 14 entrepreneurs appear through cases or at class. Students take close look at and discuss their start-up and following growth. Students are inspired with qualification which they need to develop as future business leader.

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 9 産業と技術革新の基盤をつくろう(Industry, Innovation and Infrastructure)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 0 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 100 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

(学習方法)
 本コースのすべてのセッション(計8回)は全てケースディスカッションで構成されます。受講者はシラバスに指示された質問事項に関して討議準備をしてください。受講生はクラス討議の間に準備した回答を発言・プレゼンテーションするように講師から指示されます。講義の進め方・準備に関しては、コース開始前にケースブックが配布されるタイミングで、詳細の指示を致します。

(各Session事前準備レポート)
Session1/2/4/6に関して事前に示された課題に関して、分析・考察レポートを各回提出して下さい。課題は開講前に詳細に告知します。提出締め切りは各Sessionの開始直前までとします。

(中間試験レポート)
Session5の講義開始時までを締め切りとする、中間試験レポートを課します。レポートクエスチョンに関しては、ケースブック配布時に提示します。

(最終試験レポート)
Session7のケースクエスチョンに対する分析レポートを最終試験レポートとします。ケースクエスチョンに関しては、ケースブック配布時に提示します。締め切りはSession7講義開始時までとします。

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

Session1
【テーマ】起業家と悲劇(Entrepreneur and Tragedy)
【アウトライン】
ノルウェーで2人のエンジニアがソフトウェア開発ツール会社を創業する。斬新な戦略が見事にあたり、一躍世界有数の技術力を誇る会社に成長し、業界の「ロックスター」的な名声を獲得する。その勢いをかって新分野進出を準備し、日本企業からビッグプロジェクトを受注する。だが、満を持して受注したはずのこのプロジェクトによって会社は崩壊の危機に瀕する悲劇が起きてしまう。起業家の持つブライトサイドと、その裏にあるダークサイドを浮き彫りにしつつ、戦略の本質を議論し、かつコースで学ぶ内容を俯瞰する。

Session2
【テーマ】ソニーの凋落 (Sony -Head for Ruin-)
【アウトライン】
トランジスタラジオ、CD、ウォークマン数々の世の中を変える商品を生み出し続けたソニー。しかし、2010年代に入り、凋落の一途をたどらざるをえなくなってしまった。なぜソニー神話が崩れていったのかを、起業家井深大と企業家出井伸之を比べる事によって議論していく。更に、2010年代で最も輝かしく世の中を変えつつある企業 Google をソニーと対比させ、イノベーションを生む経営の本質に迫る。

●使用するケース
Session1
 「トロールテック(ノルウェー) セナピオはクリスマスを奪い去るのか」 HBS

Session2
 「MESSAGE FROM HERO -SONY 2014- (A)」 NUCB
 「MESSAGE FROM HERO -SONY 2014- (B)」 NUCB
 「MESSAGE FROM HERO -SONY 2014- (C)」 NUCB
 「MESSAGE FROM HERO -SONY 2014- (D)」 NUCB
 「グーグルを『グーグルらしく』保つ」 HBS

第2日(Day2)

Session3
【テーマ】起業家と市場創造(Entrepreneur and Market Creation)
【アウトライン】
「企業には実態がない」と公言するドライな経営者柳井正。広島での一号店から、数々の挫折をその都度乗り越え、多くの経営イノベーションを生みつつ、世界の「ユニクロ」を築きあげる。その成功を「マーケティング」の視点から徹底検証する。さらにマーケティングを支える「サプライチェーン・バリューチェーン」がどのように構築され発展していくのかを学ぶ。さらに、賛否の多い柳井社長の経営手法に関してその是非を議論する。

Session4
【テーマ】起業家と人間力(Entrepreneur and Personality)
【アウトライン】
岐阜県で28店舗もの調剤薬局チェーンを展開する石田準一社長。その生い立ちから起業、多角化の成功に至るまでの姿を追いながら、起業において何が大切なのかを学んでいく。その成功要因はMBAで学んでいることと全く反している。MBAの限界を共有したい。同時に、今後の会社のさらなる拡大と継続的成長をMBA発想で社長に進言するケースライターの悩みを追体験し、全員でアドバイスする。

●使用するケース
Session3
 「ファーストリテイリング」 HBR

Session4
 「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である -ピノキオ商事株式会社2015-」 NUCB

第3日(Day3)

Session5
【テーマ】会社は誰のものか?(Who owns the company?)
【アウトライン】
会社は誰のものか?このテーマは起業家・経営者にとって答えのない永遠の課題であり、講師も経営者として会社を運営するにあたって、このケーマにずっと悩み続けてきた。トヨタ自動車を結婚退職しながらも、自らの能力を最大限発揮すべく、在宅主婦を活用した新サービス会社を起業した倉田社長。そして、創業者としての自らの役割に目覚めていく本田社長。2人の社長を見ながら、テーマに迫って議論したい。

Session6
【テーマ】起業家と経営哲学(Entrepreneur with Management Philosophy)
【アウトライン】
京セラを起業し、さらに第二電電(現KDDI)を起業、またJALの再建に成功。盛和塾を主宰し多くの経営者から信奉される生きる伝説稲盛社長。西郷隆盛の座右の銘「敬天愛人」を自らのものとした哲学をベースとした経営を貫き通す。経営哲学を社員に徹底的に浸透させカリスマ的な経営をしつつ、一方で、草の根的な全員経営を目指すアメーバ経営を最大の武器として活用する。稲盛社長に起業家としての理想を見る議論をしたい。

●使用するケース
Session5
 「ラッシュ・インターナショナル 2006」 NUCB
 「中小企業女性社長の視点 ラッシュ・インターナショナル 2018」 NUCB
 「本田宗一郎とその息子たち」 KBS

Session6
 「日本の起業家 稲盛和夫」 HBS

第4日(Day4)

Session7
【テーマ】起業家の成功要因(Entrepreneur and Key Success Factors)
【アウトライン】
起業家の資質は万人に平等ではない。起業家の能力・器によってそれぞれ適切な起業と経営が存在する。圧倒的な存在感を誇り、講師がもっとも尊敬する孫社長。倒産の危機にあったヤマト運輸を救い、宅急便の市場を見事に開拓して成功した小倉社長。まったく対照的な二人の起業家を比較・議論しながら、さらにコースで登場した起業家も包含しながら、このコースでの学びを振り返り定着させる。議論を通じて自分に合った等身大の起業を考え欲しい。
最終レポート課題も兼ねる。

Session8
【テーマ】起業家へのスタート(Starting of Entrepreneur)
【アウトライン】
このコースでは“自分を社長の立場において考える”を徹底してきたが、コース全体のまとめとして、起業家の立場に立って「自らの起業」について「自らの課題」として考え、自らのアイディアとプランをプレゼンテーションする。更にその内容をクラス全体で議論してブラッシュアップを図る。起業家に向けてのキックオフSession。
このSessionはケース・教材を使用しない。

●使用するケース
Session7
 「小倉昌男 経営学」全章
 「志高く 孫正義正伝 新版」全章

Session8
このSessionはケース・教材を使用しない。

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 50 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 50 %
予習レポート Preparation Report 20 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 0 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 30 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

クラス討議貢献度: 50%
   クラス発言・個人プレゼンテーションなど個人評価
レポート点:50%
中間試験レポート:10%
最終試験レポート:20%
セッション毎のレポート:5% x 4セッション 合計:20%

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 小倉昌男「小倉昌男 経営学」日経BP社(1999)978-4-8222-4156-8
  • 井上篤夫「志高く 孫正義正伝 新版」実業之日本社文庫(2015)978-4-408-55215-6

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

なし

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

昨年度授業評価点(東京):4.64点
高評価につき大きな変更はありません。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

東京大学工学部卒業後、日商岩井株式会社入社。情報通信システム開発プロジェクトに従事。米国ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。後、本社経営企画部にて全社経営戦略策定業務に従事、更に通信事業部ニューメディア課長として情報通信&マルチメディア分野の営業第一線で活躍。ニフティ株式会社にてインターネットビジネスの戦略的展開に従事した後、ソフトバンク株式会社入社。ジオシティーズ株式会社COO,カーポイント株式会社副社長として、インターネット事業立ち上げを指揮。その後プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社ダイレクターとして情報通信・メディア・エンタテイメント企業の経営コンサルティング従事。サンケイリビング新聞の資本参加を得て女性市場向けのマーケティングサービスを提供する株式会社ライブリッジを起業。その後ITベンチャー株式会社テック・インデックス社長としてベンチャー最前線で活躍し、現在名古屋商科大学教授。直近11年間連続で学生講義評価NO1を賞するOutstanding Teaching Award受賞。

Yuji Nagasawa

Education:
MBA, Harvard Business School
BS in Electric Engineering, Tokyo University

Biography:
After working 20 years for Nissho-Iwai Corporation, one of Japan’s largest trading houses, Mr. Nagasawa joined Softbank group and started up two IT venture companies, where he acted as COO. He moved to the position of head of the E-Business consulting unit at PricewaterhouseCoopers and performed extensive consulting work for major companies. Mr. Nagasawa founded his own consulting firm in 1992 and ran it as a founder for 4 years. In 1996, he decide to go back to venture management and was named active CEO of TechIndex, one of the most prominent venture companies in the Japanese mobile industry. Mr. Nagasawa joined the faculty of NUCB as a professor in 2011, and since then, has won the Outstanding Teaching Award for 11 straight years. Mr. Nagasawa is 70 years old with a wife and 2 children. He is very good at aerobics.







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