シラバス Syllabus

授業名 Discussion Leadership
Course Title Discussion Leadership
担当教員 Instructor Name 竹内 伸一(Shinichi Takeuchi)
コード Couse Code BIP104_G22T
授業形態 Class Type 講義 Regular course
授業形式 Class Format On Campus
単位 Credits 2
言語 Language JP
科目区分 Course Category 応用科目200系 / Applied
学位 Degree MBA
開講情報 Terms / Location 2022 GSM Tokyo Spring

授業の概要 Course Overview

Misson Statementとの関係性 / Connection to our Mission Statement

リーダーが組織やコミュニティを束ねようとする際に、複数のメンバーを駆り立て、方向づけていくための有効な手段として、討論運営がある。本科目はその運営能力の向上に焦点を当てた上級科目である。
To lead an organization or community, conducting discussions is an effective method to engage multiple members and to define direction. This course for advanced learners focuses on improvement of skill to facilitate discussions.

授業の目的(意義) / Importance of this course

科目名称としている”Discussion Leadership”は本科目が少し遠くに見据えているゴールであり、そのゴールを見据えつつ授業を通して繰り返すことは、ケースメソッド授業を運営する側に立つ演習(ディスカッションリード演習)である。本科目では、履修者にケースメソッド授業を行う側の景色を見てもらうことで、ケースメソッド教育のよき学修者となるための道筋をつけてもらいながら、ディスカッションという知的活動を通してチームづくりを進めていく際のリーダーシップのあり方を発見してもらう。

本科目では講師がディスカッション授業を運営するのは初日のみで、残り3日はすべて履修者の代表がディスカッション授業を運営する。学校に教育実習生が来たときの研究授業のようなものだと思ってほしい。土日月火水木金土日のわずか9日間に、全6ケースについての演習者の決定、アサイメントの決定、授業計画づくり、演習本番、振り返りのすべてを行うので、それなりに忙しい授業にはなるが、他科目とはまた違った味わいがあり、「”Discussion Leadership”とは何であるのか」を身体で感じ取ることのできる貴重な体験となるはずである。
The title of this course, “Discussion Leadership,” is its final goal. Repeatedly conducting discussions as a coursework while keeping the goal in mind functions as a discussion leader practicum from the standpoint of a facilitator of the case method instruction. Through observation of the facilitator’s perspective, students will find a route to be a good learner of the case method education, and will explore leadership roles in building a team by means of discussions, an intellectual activity.
In this course, the lecturer will facilitate a discussion class only on the first day, and representatives among students will facilitate a discussion class on the remaining three days (comparable to demonstration lessons by student teachers). The nine-day course from Saturday through Sunday of the following week is loaded with contents, including deciding on practicing facilitators for the six cases in total, deciding on assignments, making lesson plans, case discussions, and reviews. It will be a busy class that offers a unique and valuable experience of personally learning what “discussion leadership” is.

到達目標 / Achievement Goal

・ケースメソッド教授法の基礎概念を正しく理解し、誤解されがちな諸点に留意しつつ、他者に説明できる。
・ケースをもとに参加者同士で討論する授業の運営を詳細に計画でき、その計画に基づき授業目標の達成を意識した討論授業が運営できる。
・他者の作成した授業計画、あるいはそれをもとにして行われた討論授業実践に対して、適切な評価ができる。

・Able to accurately understand the key concepts of the case method pedagogy and to explain them to others while paying attention to various aspects that tend to be misunderstood.
・Able to plan details of facilitating a case-based class where participants discuss with each other, and to facilitate the class according to the plan while paying attention to achieving class goals.
・Able to appropriately assess lesson plans prepared by others or discussion classes facilitated according to the plans.

本授業の該当ラーニングゴール Learning Goals

*本学の教育ミッションを具現化する形で設定されています。

LG2 Diversity Awareness
LG4 Effective Communication
LG5 Executive Leadership (EMBA)
LG6 Innovative Leadership (MBA)

受講後得られる具体的スキルや知識 Learning Outcomes

・ケースメソッド教育に関する基礎知識(思想、歴史、技法、効果、限界など)
・授業計画のつくり方(教育目的設定、設問設定、発問設定、板書計画など)
・ディスカッションリードの基礎スキル(ディスカッションを始めて、深めて、終わらせる)
・授業を行う者に求められる研鑽と教育的まなざし
・ディスカッションリーダーシップスキルのビジネスシーンへの転用

・Basic understanding of the case method education (thought, history, techniques, effectiveness, limitations, etc.)
・Preparation of lesson plans (setting of educational objectives, questions and inquiries, planning of board writing, etc.)
・Basic skills of a discussion leader (staring, deepening and ending discussions)
・Steady improvement and educational perspectives expected from class conductors
・Application of discussion leadership skills into business scenes

SDGsとの関連性 Relevance to Sustainable Development Goals

Goal 4 質の高い教育をみんなに(Quality Education)

教育手法 Teaching Method

教育手法 Teaching Method % of Course Time
インプット型 Traditional 30 %
参加者中心型 Participant-Centered Learning ケースメソッド Case Method 70 %
フィールドメソッド Field Method 0 %
合計 Total 100 %

事前学修と事後学修の内容、レポート、課題に対するフィードバック方法 Pre- and Post-Course Learning, Report, Feedback methods

クラスにて適宜フィードバックする

授業スケジュール Course Schedule

第1日(Day1)

第1日(Day1)

ケースメソッド教育の概略を理解するとともに、本科目の根幹を成す「ディスカッションリード演習」を次回から行うための準備を整えます。そのために、担当講師である竹内がディスカッションリードのデモを行った後に、自らのディスカッションリード計画を公開して、その作り方を学びます。

オリエンテーション
・本シラバス
レクチャー&ディスカッション:ケ-スメソッドを理解する
・PPT資料「ケースメソッド教授法」(当日配布)
・ハンドアウト「ソクラテスメソッド」
・ハンドアウト「ふたつのマインドセット」
ディスカッションリード・デモ(担当:竹内)
・ケース「動くはずなのに動かない授業」
グループ討議・クラス討議 
レクチャー&ディスカッション:授業計画の作成
・授業計画「動くはずなのに動かない授業」(当日配布)
Q&A、全体フィードバック、演習希望者への諸説明
・ハンドアウト「演習で使用するケース教材のあらすじ」

●使用するケース
「「動くはずなのに動かない授業」」、慶應義塾大学ビジネス・スクール

第2日(Day2)

第2日(Day2)

「討議から学ぶことの価値を考える」と題したショートレクチャーを行った後、参加者による「ディスカッションリード演習」を立ち上げ、「グループ討議」「クラス討議」「演習者へのフィードバック」という本科目の基本サイクルを確立します。

オリエンテーション
レクチャー&ディスカッション:討議から学ぶことの価値を考える
ディスカッションリード演習①(担当:     )
・ケース「噛み砕いて教えてもらえる場」
ディスカッションリード演習②(担当:     )
・ケース「今日の授業に失望しています!新任講師田中恵(A)」
Q&A、全体フィードバック

●使用するケース
「「噛み砕いて教えてもらえる場」」、慶應義塾大学ビジネス・スクール
「「今日の授業に失望しています!新任講師田中恵(A)」」、慶應義塾大学ビジネス・スクール

第3日(Day3)

第3日(Day3)

「参加者を理解する」と題したショートレクチャーを行った後、参加者による「ディスカッションリード演習」に進みます。開講後11時間が経過しているので、参加者間の協働水準を上向けつつ、参加者による「ディスカッションリード演習」の実践水準も少しずつ向上させていきます。

オリエンテーション
レクチャー&ディスカッション:参加者を理解する
・ハンドアウト「Know your students & Less is more」(当日配布)
ディスカッションリード演習③(担当:     )
・ケース「日本人留学生 田中功一」
ディスカッションリード演習④(担当:     )
・ケース「クラス発言の裏事情」
・ケース「どんなギャップが出てくるのか楽しみです」(当日配布)
Q&A、全体フィードバック

●使用するケース
「「日本人留学生 田中功一」」、慶應義塾大学ビジネス・スクール
「「クラス発言の裏事情」」、慶應義塾大学ビジネス・スクール

第4日(Day4)

第4日(Day4)

「学びの共同体を築く」と題したショートレクチャーを行い、「学習装置」としてのクラスの構築方法について議論することで、ビジネス場面で発揮するリーダーシップとの接続を試みます。参加者による「ディスカッションリード演習」もこの頃には十分に安定しているはずなので、楽しく豊かな時間が過ごせているでしょう。

オリエンテーション
レクチャー&ディスカッション:学びの共同体を築く
ディスカッションリード演習⑤(担当:     )
・ケース「あの人が話し出すと授業が止まる」
・ディスカッションリード演習⑥(担当:     )
・ケース「町おこし起業家塾」
Q&A、全体フィードバック

●使用するケース
「「あの人が話し出すと授業が止まる」」、慶應義塾大学ビジネス・スクール
「「町おこし起業家塾」」、非公開ケース

第5日(Day5)



第6日(Day6)



第7日(Day7)



成績評価方法 Evaluation Criteria

*成績は下記該当項目を基に決定されます。
*クラス貢献度合計はコールドコールと授業内での挙手発言の合算値です。
講師用内規準拠 Method of Assessment Weights
コールドコール Cold Call 0 %
授業内での挙手発言 Class Contribution 30 %
クラス貢献度合計 Class Contribution Total 30 %
予習レポート Preparation Report 40 %
小テスト Quizzes / Tests 0 %
シミュレーション成績 Simulation 30 %
ケース試験 Case Exam 0 %
最終レポート Final Report 0 %
期末試験 Final Exam 0 %
参加者による相互評価 Peer Assessment 0 %
合計 Total 100 %

評価の留意事項 Notes on Evaluation Criteria

上記チャート内ではうまく表現できないので、ここに詳述する。
配点は、①ケース討論での発言(30点)、②ディスカッションリード演習者へのフィードバックコメント(30点)、③予習レポート(40点)、合計(100点)。
ディスカッションリード演習(ディスカッションリーダーおよびサポーター)へのチャレンジ機会を平等に提供できないので、演習者に対する特別な加点はしない。

使用ケース一覧 List of Cases

    ケースは使用しません。

教科書 Textbook

  • 高木晴夫監修、竹内伸一著「「『ケースメソッド教授法入門-理論・技法・実践・ココロ』」」慶應義塾大学出版会(2010)978-4-7664-1787-6

参考文献・資料 Additional Readings and Resource

「ケース・メソッド教授法」
L.B.バーンズ他著,高木晴夫訳,ダイヤモンド社,2010

授業調査に対するコメント Comment on Course Evaluation

授業評価自体は例年高評価を得ているので、基本的には例年通りに運営したい。本科目は学生が授業を創る側面が大きいので、授業評価が高いということは、履修した学生がよく学んだという証でもあるだろう。

担当教員のプロフィール About the Instructor 

 1988年早稲田大学教育学部卒業。マツダ株式会社を経て、2004年慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了、2011年慶應義塾大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得退学、2015年広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了(博士(教育学))。2004年ケースメソッド教育研究所代表、2006年株式会社ケースメソッド教育研究所代表取締役。2006年慶應義塾大学大学院経営管理研究科特別研究助手、同講師、特任准教授を経て、2016年徳島文理大学人間生活学部教授、2018年名古屋商科大学大学院マネジメント研究科教授。
 マツダ株式会社では国内販売会社の経営管理を人材育成の側面から主導し、国内拡販プログラムとしてのMazda Sales Expansion、ならびに社内変革プログラムとしてのStrategic Initiativesに参画。当時の親会社フォードのプライマリー6ブランド(Ford, Lincoln-Mercury, Volvo, Jaguar, Aston Martin, Mazda)との本国事業交流イニシアチブであるFord Exchange Programメンバーとして、米国ディアボーンでも活動した。
 現在の専門領域はケースメソッド教育で、その探求のための学問バックグランウンドは教育哲学・教育方法学・専門職教育史・教育経営学・組織行動学・管理会計学と、教育学と経営学の両面からアプローチしている。ケースメソッド教育の組織導入実績および著書・論文・記事多数。

Education:
Ph.D. in Education, Hiroshima University
MBA, Keio University
BA in Literature, Waseda University

Biography:
With dual expertise in education and business administration, Dr. Takeuchi has extensive achievements in organizational implementation of case method in both academic and business settings. Prior to pursuing an academic career, Dr. Takeuchi was actively engaged in business administration and personnel training as well as in strategic reform and exchange projects in Japan and overseas at Mazda Motor Corporation. He is also the founder and representative director of Case Method Laboratory, Inc., which specializes in capacity development through case method. His academic background ranges from philosophy of education, educational methods, history of professional education, school administration and organizational behavior to managerial accounting. He has authored a number of books, research papers and articles on case method education.

(実務経験 Work experience)

1988 マツダ株式会社 第一営業本部
2004 筑波大学大学研究センター 客員研究員
2004 東レ経営研究所 特別研究員
2006 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 特別研究助手
2007 株式会社ケースメソッド教育研究所 代表取締役
2007 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 特別研究講師
2011 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 特任准教授
2016 徳島文理大学人間生活学部 教授
2018 名古屋商科大学ビジネススクール 教授

1988 Sales and Marketing Div. No.1, Mazda Motor Corporation
2004 Visiting Researcher, Research Center for University Studies, Tsukuba University,
2004 Toray Corporate Business Research, Inc., Visiting Researcher
2006 Research Assistant, Graduate School of Business Administration, Keio University
2007 CEO, Case Method Laboratory, Inc.
2007 Assistant Professor, Graduate School of Business Administration, Keio University
2011 Associate Professor, Graduate School of Business Administration, Keio University
2016 Professor, School of Human Life Sciences, Tokushima Bunri University
2018 Professor, Graduate School of Management, Nagoya University of Commerce and Business

Refereed Articles

  • (2024) Impact of AACSB Accreditation on Education Quality: Perceptions of Faculty in an Accredited School in Japan. International Journal of Educational Management
  • (2023) Truncated Education, Untruncated Learning: Focus on "Intermediate Media" in The Case Method Education. Forum on modern education (32): 09196560
  • (2023) How Case Method Education Contributes to the Exploration of Leadership in School Education?. Bulletin of the Education Faculty, Shizuoka University. Liberal arts and social sciences series (74): 02867303
  • (2022) Case Method Education at Schools: From Professional Education to Public Education. Bulletin of the Faculty of Education, Shizuoka University. Educational research series 54 0286732X
  • (2021) A Study on the Feasibility of "Exploratory Learning" : Using Case Method and Out-of-School Education System. Bulletin of the Faculty of Education, Shizuoka University. Educational research series 53 0286732X






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